ジャパッシュ ★★★☆


ジャパッシュ
望月三起也著
銀河出版
★★★☆

1971年、創刊間もない少年ジャンプで連載されたポリティカルフィクション。
私は、1980年頃、何気なく単行本で1巻だけ読んだが、その後まったく読む機会がなく、その先どうなるかがずっと気になっていた。銀河出版が復刻していたのを最近知って、ついに入手した。25年ぶりの邂逅である。
当初、全3巻の1巻だけ読んでいたのだが、第1巻の部分はとにかく抜群におもしろい。冷酷でシニカルな主人公はすごみがある。で、その後はどうなったかというと、やはりなるようにしかならなかったという感じだ。いかにして権力を握っていくか、そのあたりがどう表現されているかがかなり気になっていたのだが、正直ちょっと拍子抜けした。大風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなったという部分があるのか。ともかく、25年来(私の中で)のどの奥に引っかかっていた部分がやっと判明して、その点は良かった。
主人公の日向光以外にも、その日向をつけねらう石狩五郎など、キャラクター設定がなかなかよくできている。浦沢直樹の『MONSTER』にも似たような部分がかなりあったが、このマンガの影響か。そう言えば、映画の『オーメン』(1976・米)にも同じような場面があったな。

投稿日: 土曜日 - 11 月 12, 2005 09:03 午前          


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