路上の夢 新宿ホームレス物語 ★★★☆


路上の夢 新宿ホームレス物語
中村智志著
講談社文庫
★★★☆

新宿西口でホームレスとともに暮らしながらかれらの群像に迫るドキュメント。
ホームレスといっても多様で、なかなかひとくくりでとらえることができない。西口に集まっているホームレスの個人史に迫りながら、過去、現在、将来をあぶり出そうとしており真摯だ。ただ、ホームレスという共通点はあるものの、基本はいろいろな人々の個人史であるため、「ぐんぐん読ませる」というような迫力はない。ともすれば退屈する。
だが、ホームレスが多様だということはよく身にしみた。それに、ホームレス生活が死と隣り合わせであるということ、そしてかれらが(社会的に)大きな孤独を抱えているということも。

投稿日: 月曜日 - 10 月 17, 2005 04:37 午後          


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