ホームレス人生講座 ★★★☆


ホームレス人生講座
風樹茂著
中公新書ラクレ
★★★☆

ホームレス暮らし経験者8人の人生をたどって、ホームレスには「縁を失っている」という共通項があることを説く。
ここに出てくるホームレスの人々は、高学歴だったり元会社経営者だったりしてなかなか多彩で、かれらの個人史もなかなかおもしろい。
ここのところホームレス関係の本を何冊か読んだが、それでわかったのは、ただ単に失職したり金がなくなったりしたことが原因でホームレスになるわけではないということだ。失職しても、その人を支える人が周りにいれば、ホームレスになることはあまりない。「縁を失っている」という共通項があることは、何冊か読みながら、私もうすうすではあるが気が付いていた。だから、この本の主張は、ほぼ全面的に共感できる。
著者の結論は、地縁も血縁も希薄になりつつある現在、そしてますますこういった「縁」がなくなっていく将来、社会は今以上にギスギスし、ホームレス予備軍も確実に増えるということだ。確かに地縁も血縁も薄いよな……と、ギスギスしつつある社会を目の当たりにして、妙に納得するのであった。

投稿日: 木曜日 - 11 月 03, 2005 09:44 午後          


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