アップルや昔のアップルならぬ



いつも仕事やネットの作業はアップルのiBook(Dual USB)を使って行っているが、キーボードがいよいよ悲惨な状態になってきた。
Optionキーが外れ、Cmdキーの動作がおかしくなった。OptionキーとCmdキーといえば、マックを使っている人ならわかるだろうが、キーボード操作の上で不可欠で、仕事していてもかなり不自由を感じている。
アップル製品に限らないが、ノートパソコンの部品は大体が高価で、修理に結構金がかかったりする。「そんなにかかるのなら新しいのを買い換えるか」ってな感じで買い換えに走る人が多くなる原因にもなっている。
このiBookはすでに買ってから3年経っており減価償却も終わっているが、MacOS 9が動作するマックはすでに販売されていないし、まだMacOS 9は捨てられないし、それに手元に金もないしで、買い換えなんちゅうオプションは今回は当初から存在しなかった。存在するオプションは、1)キーボードを替える、2)そのまま我慢して使う、の2つだ。
アップルに修理に出したら金がかかりそうな気がしたので、中古部品やサードパーティ製品を探すことにした。で、ネットで調べていると、iBook用のJISキーボードがなかなか出てこない。交換用のUS(英語)キーボードは結構出回っているいるようだが、頻繁に全角文字・半角文字を切り替える必要がある私としては、JISキーボードは絶対に譲れないところだ。それにここに出てくるUSキーボードはほとんどが2万円前後で売られている。私がなんとなく考えている、アップルノートパソコンのキーボードの相場は1万5千円である。これまで集めたさまざまな情報から身につけた相場感なのでそこそこ自信がある。JISでない上に5千円も高いのは絶対に容認できないところだ。だいたいiBook自体が12万円程度なのに、キーボードの値段が2万円もするってのが納得できない。
とは言え、キーが壊れたキーボードというのも使い勝手が悪くてしようがない。急ぎの仕事をやっているというのにかなり能率が落ちている。ネットをいろいろ調べてみると、今はアップルに修理を頼む方が安いという情報があった。ならばここはひとつ、アップルのサポートに電話して訊いてみるか、昔と違って対応もずいぶん良くなっていることだし。
ということで、アップルに電話してみた。2万円以上かかるんだったらちょっと考えるが、それ以下だったら忍びがたきを忍んで有り金をはたこうと覚悟を決めた上でのことだ。電話はすぐにはつながらなかったが、それでも丁寧な応対で処理され、結局キーボードの代金は6千5百円ということになった。6千5百円という価格は、思った以上に安く、iBookの部品の値段としても至極妥当な感じがする(交換作業はこっちでやることになるが、もともとそのつもりでいたし、大して難しくない)ので、即発注した。
正当なルートの修理が、ネットで一般的に流通している部品の値段よりも安くあがるというのはとても良いことだ。
前にCubeが大破したとき、パーツショップに頼んでロジックボードを交換してもらったが、そのとき6万円近くかかった。同じ頃にCubeのロジックボードを交換したという話が某掲示板で報告されていたが、その人はアップルに修理を依頼してロジックボードを交換してもらい、5万円以下で済んだと書いていた。私が利用したパーツショップの料金が法外だったとも思わない。その時点での相場では、Cubeのロジックボードは5万円程度だった。作業手数料を含め6万円というのは妥当な値段だと思う(私にとっては大打撃だったが)。おそらく、アップル社内で、旧製品の部品の値段が、時とともに下がっているということなのだろう。パソコンの場合、旧製品の価値は時間が経つにつれてどんどん下がるので、その部品の価値もそれに合わせて下がるというのはきわめて当たり前で、この当たり前のことがアップルで実践されるようになったということなのだろう。
対応についても当たり前のことが実践されだしたようだ。
以前のアップルのサポートの対応のひどさといったらなかった。System 7の日本語版(漢字Talk 7だったっけ)が出たとき、旧ユーザーは、電話でサポートに連絡し購入申込書を送ってもらわなければならなかった(このシステムもどうかしているが)。これがアップルの指定する方法だったのでその通りにしたが、サポートの対応はひどくぞんざいだった上(何がそんなに不満なんだと訊きたくなったよ、私は)、案の定、申込書はいつまで待っても送られてこなかったのだ。一事が万事こんな感じだったんだ、アップルのサポートは。
5年ほど前に、妻のiBookが保証期間中であるにもかかわらず動作しなくなったので、サポートに電話したとき、その対応の良さ(と言っても、一般世間の常識から考えると当たり前の対応なのだが)に驚いたことがある。ぞんざいな対応だったら、怒鳴り散らしてやろうと思っていたんだ、ホントのところを言うと。それから付け加えておくと、故障したパソコンも都合4日ほどで修理されて戻ってきた(もちろん無料)。あの頃からアップルは変わっていたんだな。
まあ、何にしても、妥当な値段で修理ができればそれに越したことはない。壊れたから買い換えるという異常な生活様式を是正する助けにもなるしね。ともかくキーボードが届くのを待とう。


で、なんと翌日届いた。早速交換した。交換に要した時間、30分。
キータッチが全然違って、抜群に使いやすくなった。前のは、もちろん一部のキーが壊れていたからというのもあるが、それよりも、タイプした感触が全然違う。新しいのは、ポンポン弾む感じっていうのかな……ともかく、心地良い。古いヤツはキー全体がかなりへたれていたのだろう。今までは全然気付かなかったが。おかげで仕事の能率もずいぶん上がった(ような気がする)。
「畳とキーボードは新しいほど良い」とはよく言ったものだ(だれも言ってないか……)。

投稿日: 水曜日 - 5 月 18, 2005 11:16 午後          


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