決闘罪


 


今どき1対1の決闘、しかも素手でことを決するとは、なかなか「オトコやねー」ってな感じなんだが、決闘罪で逮捕されたんだと。
K−1まねて決闘の少年らを逮捕(日刊スポーツ.comより)
もちろん報道だけでは真実はわからないが、
高校生数人がグループ間でもめた → 日時を決めて対決することにした → K-1風のルールを決めた → レフェリーを設定した → 「ケガをしても死んでもやむを得ない」と合意した → それぞれ闘って、数人が3日から2週間のケガをした
ということだろう、つまりは。
だがこれだけならば、「今どきリッパ」と言うしかないと思うんだがどうだろう。かれらは逮捕されるような大罪を犯したんだろうか。どうしても取り締まる側のメンツを保つ必要があるのなら、補導して説教する程度で十分だと思うが。
それに1対1で素人が素手でやりあっても、相手を死なせたり大ケガさせたりということはなかなかできないんじゃないかと思う。「2週間のケガ」っていっても、せいぜい打撲ってとこだろう。
決闘罪なぞという罪があることはよく知らなかったので、六法全書でちょっと調べてみた(六法全書見たのは初めて)。明治22年に制定された「決闘罪ニ関スル件」がこれに該当する罪で、決闘をすると二年以上五年以下の懲役に課せられるんだそうだ。この法律が今どの程度運用されているか知らないが、こんな法律が必要なのかどうかかなり疑問だ。もしいずれかがケガをしたり死んだりした場合は、傷害罪や致死罪(または殺人罪)を適用すれば間に合いそうだが。どんな形であれ、決闘という行為は法律で禁止されるようなことではないんじゃないだろうか。
日本には酒税法という前近代的な法律がいまだに存続しているので、決闘罪も同様にカビがはえた法律になっているのかも知れない。そう言えば、旧土人保護法(アイヌの人権を抑圧する法律)なんていう差別法もつい10年ほど前まで存続していた。決闘罪で逮捕される人が毎年どのくらいいるか知りたいところだ。ちなみに「決闘罪ニ関スル件」の次に記述されている法律は「未成年者喫煙禁止法」だが、こちらもどれだけ適用されているのかよくわからない。
ともかく、こういうわけのわからない法律を持ち出して子どもたちを惑わすのはやめてほしいものだ。大人が青少年に何を求めているのかきっちり示すのが大人の責任だろう。

投稿日: 木曜日 - 5 月 26, 2005 06:13 午後          


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