戦場のITビジネス 狙われる希少金属タンタル ★★★


戦場のITビジネス 狙われる希少金属タンタル
BS1 BSアーカイブ特選
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コンゴ国内で産出されるタンタルをめぐる攻防。
コンゴでは、希少金属タンタル(携帯電話やパソコンで使われるタンタル・コンデンサの原料で、現在高騰中)が産出される。タンタルはコンゴでは数少ない特産品であり、この高需により、貧しさにあえいでいた国民も多少は潤うことができるはずだった。しかしここでも、その富は一部の少数の金持ちに独占されている。
内戦により、東コンゴは反政府勢力におさえられた。反政府勢力は、掘削業者、仲買人などから高い通行料をとり、さらに、輸出についても悪名高い輸出業者に独占させ、見返りに高い税金を受け取っている。ルワンダなどの周辺諸国も、国境防衛という名目で派兵し、内地のタンタル資源をおさえて、自国にヘリコプターで輸送している。まさにハゲタカのように資源に群がる人々。コンゴの一般民衆は、相変わらず貧しい生活を強いられたままなのだ。
国家の本来の役割の1つに、資本の欲望の暴走を阻止し、一定の秩序を与えることがある。しかし、多くの国で、政府自体が資本の暴走に荷担するということが公然と行われている。スポーツの試合で、レフェリーがどちらかのチームに荷担したら、試合はメチャクチャになるだろう。かくして、市場はメチャクチャにされ、つましく生きている人々は食い物にされていく。
愚かな政府が生み出すのは、無秩序と殺戮だ。

投稿日: 火曜日 - 6 月 22, 2004 09:52 午前          


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