インド・ボパール化学工場事故 ★★★☆
インド・ボパール化学工場事故 20年目の検証(04年・仏
ポンドゥジュール)
NHK
BS1
BS世界のドキュメンタリー
★★★☆
1984年12月3日、インド・ボパールのユニオン・カーバイド社の農薬工場で、爆発事故が発生した。この史上最大級の工場災害では、爆発により、イソシアン酸メチルが大量に周辺地域に流出し、多くの被害者を生み出した。死者は1万人、後遺症後の死者は2万人、後遺症で今も苦しむ人は3万人を超えるという。
このドキュメンタリーでは、この事故が、いい加減な設備の工場を住宅地の中で稼働させたユニオン・カーバイド社の人災であると断じる。米国のユニオン・カーバイド社は、事故後、責任をすべてインド法人に押し付けて、責任のがれをしている。同社経営陣は、裁判に応じず雲隠れを決め込んでいる。
行き場のない怒りをどこにぶつけていいのかわからず苦しむ被害者たち。
かれらに代わって米国で法廷闘争を企てるインド人弁護士の視点からドキュメンタリーは進行する。
大企業の傲慢、泣き寝入りさせられる被害者たち、被害者に群がるハイエナのような人々。ともすれば社会の表舞台から隠されようとする理不尽を暴く正統派ドキュメンタリー。
投稿日: 日曜日 - 12 月 12, 2004 05:11 午後