金曜日 - 12 月 31, 2004

激突! ★★★★


激突!(1972年・米)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:デニス・ウィーバー、ティム・ハーバート
★★★★
スピルバーグの処女作で、TV用に作成されたらしい。
処女作にしてはというべきか処女作だからというべきか、いろいろなテクニックをふんだんに取り入れたすばらしい映画だ。90分間、一瞬も目を離せない。映画テクニックの教科書のような映画だ。新人がこんな映画を作るなんて。さすがスピルバーグ。
原題は「Duel」で「決闘」という意味。カーレースに巻き込まれる男の話、と言ってしまおう。邦題の「激突!」はちょっとまずいんでないかい。途中で結末が読めてしまった。
主人公の内面の移り変わりや相手が見えない恐怖などが、リアリティを損ねることなく徹底的に描かれている。不安をあおる映像や音楽の使い方も抜群だ。小品だが必見。
スピルバーグの最高傑作と言い切ってしまおう。

投稿時刻: 03:39 午後    

木曜日 - 12 月 30, 2004

シャイアン ★★☆


シャイアン(1964年・米)
監督:ジョン・フォード
出演:リチャード・ウィドマーク、キャロル・ベイカー、サル・ミネオ、ジェームズ・スチュワート
★★☆
先住民側の視点から描かれた西部劇。題材はなかなか重厚で良いが、内容の方はとりとめがなくお寒い。
西部劇のさまざまなエッセンスを寄せ集めしただけで退屈。馬の疾駆シーンは、さすがにジョン・フォードで、うならせる。途中30分ほど挿入されるワイアット・アープとドック・ホリデイのエピソードは、コミカルに描かれているが、全体の流れとあまり関係なく、まったくムダとしか思えない。見ていてしらけてしまった。
しかしあらためてアメリカ史の一部をかいま見ると、アメリカという国は現代でも同じ歴史を繰り返しているなと実感する。イラク人とアメリカ・インディアンとが重なって見えた。

投稿時刻: 09:13 午前    

月曜日 - 12 月 20, 2004

沈黙の世界 ★★☆


沈黙の世界(1956年・仏)
監督:ジャック−イブ・クストー/ルイ・マル
音楽:イブ・ボードリエ
ドキュメンタリー
★★☆
海をテーマにしたドキュメンタリーだが、ずいぶん人間中心で胸くそが悪くなる。
サメは大虐殺するわ、ウミガメに乗って遊ぶわ、魚をオリに閉じこめるわ、ヨーロッパ的な自己中心主義をかいま見ることができる。50年前はそういう時代だったんだろうが。

投稿時刻: 10:55 午後    

水曜日 - 12 月 08, 2004

オーケストラ・リハーサル ★★★☆


オーケストラ・リハーサル(1978年・伊、西独)
監督:フェデリコ・フェリーニ
音楽:ニーノ・ロータ
出演:ボールドウィン・バース、クララ・コロシーモ、チェーザレ・マルティニョン
★★★☆
フェリーニのドキュメンタリー・タッチの小品(70分の作品)。
ドキュメンタリー・タッチでも、「もやもやして爆発」というフェリーニ流の展開になる。
フェリーニ的には映画制作現場のオーケストラへの置き換えなのか? 8 1/2と対比すると面白い。

投稿時刻: 06:31 午後    

火曜日 - 12 月 07, 2004

革命児サパタ ★★★


革命児サパタ(1952年・米)
監督:エリア・カザン
脚本:ジョン・スタインベック
出演:マーロン・ブランド、ジーン・ピータース、アンソニー・クイン、ジョセフ・ワイズマン
★★★
豪華スタッフ、キャストによる伝記映画。
メキシコ革命の父として今でも尊敬を集めるエミリアーノ・サパタの人間像を描く。
伝記として見ればそこそこ楽しめる。

投稿時刻: 06:27 午後    

火曜日 - 11 月 30, 2004

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国務長官の告白 ★★★


フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国務長官の告白(2003年・米)
監督:エロール・モリス
ドキュメンタリー
★★★
マクナマラのインタビューで構成しているドキュメンタリー。
残念ながらテレビでやるレベルだ。劇場版としては相当物足りない。
内容としては、意外な点もなくはないが、多くがマクナマラの弁明のようでさして面白くない。
しかし、アメリカの政策が大統領や高官のメンツや独断で動いている点がわかり、その点は非常に興味深かった。

投稿時刻: 11:28 午前    

月曜日 - 11 月 29, 2004

写楽 ★★★☆


写楽(1995年・松竹)
監督:篠田正浩
企画総指揮:フランキー堺
出演:真田広之、フランキー堺、岩下志麻、葉月里緒菜、佐野史郎、坂東八十助、中村富十郎、片岡鶴太郎、河原崎長一郎
★★★☆
江戸風俗がそこそこ再現できていて楽しめる。歌舞伎などの風俗を規制した松平定信を坂東八十助が演じ、市川団十郎を中村富十郎が演じるなど、キャスティングもなかなか面白い。
相変わらず真田広之が良い。
話が青春群像(武満徹の主題曲のタイトルも「青春群像」)になっている点が、個人的には少し違和感がある⋯⋯。

投稿時刻: 11:23 午前    

月曜日 - 11 月 29, 2004

エマニエル夫人 ★★☆


エマニエル夫人(1974年・仏)
監督:ジュスト・ジャカン
出演:シルヴィア・クリステル、アラン・キュニー、クリスティーヌ・ポワッソン
★★☆
ポルノ版マイ・フェア・レディ!

投稿時刻: 11:15 午前    

土曜日 - 11 月 27, 2004

異国の出来事 ★★★


異国の出来事(1948年・米)
監督:ビリー・ワイルダー
出演:ジーン・アーサー、マレーネ・ディートリッヒ、ジョン・ランド
★★★
お気楽な映画だが、そこそこ楽しめる。ドイツ人監督ビリー・ワイルダーが描く、第二次大戦後のドイツの窮状が興味深い。

投稿時刻: 11:13 午前    

金曜日 - 11 月 26, 2004

戒厳令 ★★★


戒厳令(1973年・現代映画社、ATG)
監督:吉田喜重
脚本:別役実
出演:三國連太郎、松村康世、三宅康夫、倉野章子、菅野忠彦
★★★
映像が重厚でよい。中心を外した構図、強烈なコントラスト、動きの少ないカメラ⋯⋯。なかなかATG的。
演出は、やや芝居がかっていて大げさ。脚本のせいか? また、起伏の少ないストーリーもいくぶん退屈。

投稿時刻: 05:33 午後    

火曜日 - 11 月 16, 2004

パリ・ルーヴル美術館の秘密 ★★★


パリ・ルーヴル美術館の秘密(1990年・仏)
監督:ニコラ・フェリベール
ドキュメンタリー
★★★
ルーブル美術館のさまざまな側面に焦点を当てたドキュメンタリー。
ルーブル美術館では総勢1200人の人が働いているそうな。学芸員や修復作業者は表に出ることが多いが、裏方が何をやっているかなどはあまり紹介されることはない。この映画では、掃除作業者、音響担当者、料理人、搬入作業者なども、学芸員や修復作業者と同様の扱いで紹介され、ルーブルの日常が描かれている。いわばルーブル版「働くおじさん」か。ナレーションもなく、ルーブル美術館内のさまざまな現場にいあわせているかのような映画で、盛り上がりもあまりなく、まさに淡々と進行していく。そのため、人によっては退屈するかも知れない。ビデオだったら最後まで見てられないかもしれないと思いながら、劇場で見たのだった。

投稿時刻: 09:58 午前    

火曜日 - 11 月 09, 2004

愛と死を見つめて ★★★


愛と死を見つめて(1964年・日活)
監督:斉藤武市
原作:大島みち子、河野実
出演:浜田光夫、吉永小百合、笠智衆、内藤武俊、宇野重吉
★★★
まったく期待せずに見たが、なかなか迫力があって見入ってしまった。なんといっても実話が基になっているという点で説得力がある。
時代が時代だけに今見ると恥ずかしいシーンも結構あるが、役者(特に吉永小百合)の演技がすばらしく、引き入れられてしまう。
原作(登場人物2人の書簡集らしい)を読みたくなった。でも絶版! どうなってんだ、この国の出版界は!

投稿時刻: 09:22 午後    

木曜日 - 11 月 04, 2004

つぐみ TUGUMI ★★☆


つぐみ TUGUMI(1990年・松竹富士)
監督:市川準
原作:よしもとばなな
出演:牧瀬里穂、中嶋朋子、白鳥靖代、真田広之
★★☆
牧瀬里穂が異常に好演。
でもストーリーがもう一つ。
市川準の良さもあまり発揮されていなかった。

投稿時刻: 07:49 午後    

日曜日 - 10 月 31, 2004

風の又三郎 ★★


風の又三郎(1940年・日活)
監督:島耕二
原作:宮沢賢治
出演:中田弘二、北竜二、西島悌四郎、大泉滉
★★
今となっては、ちょっと見てられない。
大泉滉が若い、というか子供。

投稿時刻: 07:46 午後    

日曜日 - 10 月 31, 2004

阿賀に生きる ★★★


阿賀に生きる(1992年・阿賀に生きる東京上映委員会)
監督:佐藤真
ドキュメンタリー
★★★
阿賀野川流域の人々の生活を追う。

投稿時刻: 07:42 午後    

火曜日 - 10 月 26, 2004

かくも長き不在 ★★★☆


かくも長き不在(1960年・仏)
監督:アンリ・コルピ
原作:マルグリッド・デュラス
出演:アリダ・ヴァリ、ジョルジュ・ウィルソン、ジャック・アンダン、シャルル・ブラヴェット
★★★☆
見たのは2回目だが、まったく内容を覚えていなかった。しかしつまらないかというと、そうでもないのだ。途中かなり眠かったが。見るときは相応の覚悟が必要だ。
全体ががっしり作られており、堅牢な印象がある。映像も落ち着きがある。芸術写真を見ているようなしゃれた映像が続く。また、ストーリーも非常に魅力的だ。創作を志したことのある者なら一度は書きたいと思うような、良くできた話だ。

投稿時刻: 07:03 午後    

火曜日 - 10 月 26, 2004

さらば・わが愛/覇王別姫 ★★★☆


さらば・わが愛/覇王別姫(1993年・香港)
監督:チェン・カイコー
原作:リー・ピクワー
出演:レスリー・チャン、チャン・フォンイー、コン・リー、グォ・ヨウ
★★★☆
2人の役者から見た中国現代史。
長かった。

投稿時刻: 06:42 午後    

月曜日 - 10 月 25, 2004

たそがれ清兵衛 ★★★★


たそがれ清兵衛(2002年・松竹)
監督:山田洋次
原作:藤沢周平
脚本:山田洋次、浅間義隆
出演:真田広之、宮沢りえ、小林稔侍、大杉漣、赤塚真人
★★★★
山田洋次あなどるべからず。
山田洋次の映画は、あまり好きじゃない(接写が多く疲れるのだ)が、これはいける。乾いた空気が心地よい。
「世間でダメだと思われている人間が実はすごい人だった」というパターンはそれ自体楽しいものだが、それに恋愛や家庭、宮仕えの悲哀など、さまざまなエピソードをつなぎ合わせて、どっしりした仕上がりになっている。最後のテロップを見ていると、藤沢周平の原作として3本あがっていたが、3本の話を1つにまとめ上げたにしてはあまりに良くできている。すばらしいシナリオだ。
真田広之は相変わらず芸達者だ。宮沢りえも、抑えた演技で良い。
ただ以前、江戸時代の武士は1日4時間程度しか仕事をしていないと本で読んだが、そうすると帰宅する時間も明るい内になるので「たそがれ」にならないんじゃないか。どうだろう。これは原作に対する疑問。

投稿時刻: 06:39 午後    

月曜日 - 10 月 25, 2004

蟹工船 ★★★


蟹工船(1953年・現代ぷろだくしょん)
監督:山村聡
原作:小林多喜二
脚本:山村聡
出演:森川信、河野秋武、山村聡、森雅之
★★★
戦艦ポチョムキンの日本版として見ていたが、ヨーロッパ人と日本人の性格の違いが浮き出ていて興味深い。
ポチョムキンでは、食事の肉が腐っていたことから暴動が起こったが、蟹工船では、死人が何人も出てからやっと動きが出てきた。ある意味で非常にリアルだ。
映画自体のできという点では、画面が暗い、それぞれの人物が判別しにくい、録音が悪い(何を言っているか聞き取りにくいという意味で)など問題点もあるが、迫力があり、社会問題が大きくえぐり出されていている点、評価したい。

投稿時刻: 06:29 午後    

日曜日 - 10 月 24, 2004

あずみ ★★☆


あずみ(2003年・日本ヘラルド)
監督:北村龍平
原作:小山ゆう
出演:上戸彩、オダギリジョー、原田芳雄、竹中直人、北村一輝
★★☆
派手だがくだらない。ストーリーもリアリティがない。そもそも原作に問題があると思うが。
だが、上戸彩はなかなか素敵。唯一の救いぢゃ。

投稿時刻: 06:04 午後    

水曜日 - 10 月 13, 2004

午後の遺言状 ★★☆


午後の遺言状(1995年・近代映画協会)
監督:新藤兼人
脚本:新藤兼人
撮影:三宅義行
出演:杉村春子、乙羽信子、朝霧鏡子、観世栄夫、津川雅彦、倍賞美津子
★★☆
脚本出身の監督でありながら、脚本も安直でひどいし、演出も良くない。ベテラン役者をそろえながら、舞台のような演技であまりに不自然。唯一の救いは撮影。
ただ観世栄夫の謡曲はなかなか迫力があってよろしい。

投稿時刻: 03:00 午後    

火曜日 - 10 月 05, 2004

ディープ・ブルー ★★★☆


ディープ・ブルー(2003年・英独)
監督:アラステア・フォザーギル、アンディ・バイヤット
ドキュメンタリー
★★★☆
劇場で見たので、映像を存分に楽しめた。劇場向けだ。テレビ版を劇場用に再編集したらしいが、その価値は十分にある。
ただ、バックの音楽が邪魔だ。うるさすぎる。音楽は3分の1以下にすべきだと思った。

投稿時刻: 10:02 午後    

木曜日 - 9 月 30, 2004

ヴァイブレーター ★★


ヴァイブレーター(03年・ステューディオスリー)
監督:廣木隆一
原作:赤坂真理
出演:寺島しのぶ、大森南明、田口トモロヲ、戸田昌弘
★★
やけにメカに詳しく、優しい男。しかも悪かった過去がある……って、白馬に乗った王子様か。女にとってこんなに都合の良い男は、そうはいないぞ。
女の願望を描いたポルノで、このヒロインの下品さも不快(寺島しのぶは好演だが)。
この話のストーリー自体もイヤ。途中で見るのをやめたくなったさ。

投稿時刻: 09:54 午後    

水曜日 - 9 月 29, 2004

ワイルド・アパッチ ★★☆


ワイルド・アパッチ(72年・米)
監督:ロバート・アルドリッチ
出演:バート・ランカスター、ブルース・デービソン
★★☆
話がうますぎる。退屈。

投稿時刻: 09:45 午後    

火曜日 - 9 月 28, 2004

WATARIDORI ★★★☆


WATARIDORI(2001年・仏)
監督:ジャック・ペラン、ジャック・クルーゾ、ミシェル・デバ
ドキュメンタリー
★★★☆
すばらしいドキュメンタリー。ドキュメンタリーらしいドキュメンタリー。淡々とした進行も心地よい。
鳥の視点で世界を見るとこんな感じかという映像だ。いつの間にか見る側も鳥と同化していて、鳥が脅かされるとこちらも脅威を感じ、被害に遭うとこちらも悲しくなる。見せ方が抜群にうまい。
ただし、「地球の上を飛ぶ鳥」の特撮はいただけない。すべて特撮なしで見せてほしかった。淡々とした雰囲気があっただけに、その点があざとく残念。
でも、どうしてこういうタイトルなんだろ(原題は全然別物)。

投稿時刻: 09:43 午後    

金曜日 - 9 月 17, 2004

華氏911 ★★★☆


華氏911(2004年・米)
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア
ドキュメンタリー
★★★☆
『アホでマヌケなアメリカ白人』の映画化と考えてよかろう。内容はほぼ一緒。同書が主張するところの証拠映像を示しているため、そういう意味で興味深い。
「これはドキュメンタリーじゃない」とかいう議論があるが、そもそもドキュメンタリーなんてのは必ず作り手の考え方が反映されているもので、多少主張が「偏って」いようが、だから「ドキュメンタリーじゃない」などと言うのは「アホでマヌケ」に聞こえる。
見せ方が相変わらずうまく、まったく飽きない。

投稿時刻: 09:37 午後    

火曜日 - 9 月 14, 2004

荒野の七人 ★★☆


荒野の七人(1960・米)
監督:ジョン・スタージェス
出演:ユル・ブリンナー、スティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーン
★★☆
「七人の侍」をここまでパクるとは! 最後の台詞まで一緒じゃねーか。
しかも「七人の侍」のような格調もないし。
期待していたががっくり。

投稿時刻: 09:30 午後    

日曜日 - 9 月 12, 2004

マーズ・アタック ★★☆


マーズ・アタック(1996・米)
監督:ティム・バートン
出演:ジャック・ニコルソン、グレン・クローズ、アネット・ベニング、マイケル・J・フォックス、ピアーズ・ブロスナン、ダニー・デヴィート、トム・ジョーンズ、マーティン・ショート
★★☆
グロすぎ。この感性についていけん(吐)。

投稿時刻: 09:21 午後    

木曜日 - 9 月 09, 2004

パピヨン ★★★☆


パピヨン(1973・米)
監督:フランクリン・J・シャフナー
脚本:ドルトン・トランボ
出演:スティーブ・マックィーン、ダスティン・ホフマン
★★★☆
原作ものだからだと思うが、ストーリーが最後まで持続していない。1回目の脱走成功の時点で話が終わってしまった。
スリリングな上キャストが非常に良いだけに、その点だけが惜しい。

投稿時刻: 09:18 午後    

火曜日 - 9 月 07, 2004

コンドル ★★★☆


コンドル(1975・米)
監督:シドニー・ポラック
原作:ジェームズ・グラディ
出演:ロバート・レッドフォード、フェイ・ダナウェイ、クリフ・ロバートソン、マックス・フォン・シドー
★★★☆
良くできたミステリー。だがステレオタイプだ。

投稿時刻: 09:14 午後    

金曜日 - 9 月 03, 2004

恋 ★★☆


恋(1971・英)
監督:ジョセフ・ロージー
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:ジュリー・クリスティ、アラン・ベーツ
★★☆
音楽がミシェル・ルグランということで期待していたが、もう一つ。退屈した。

投稿時刻: 09:05 午後    

木曜日 - 9 月 02, 2004

白い風船 ★★★★


白い風船(1995・イラン)
監督:ジャファール・パナヒ
脚本:アッバス・キアロスタミ
出演:アイーダ・マハマッドカーニ、モーセン・カリフィ、フェレシュテー・サドル・オーファニ
★★★★
キアロスタミ風の話だなと思ったら、脚本がキアロスタミだった。子どもの世界を描かせたらヒカイチだ -> キアロスタミ。
この映画に出てくる大人(特に親)の子どもたちへの接し方にかなり反感を持つが、自分も似たような接し方をしてるなあと思う。反省しきり。子ども側から見たら、理不尽なんだろうな。
ストーリー展開もスリリング。ドキドキして目を覆いたくなるようなシーンもある。おすすめ。

投稿時刻: 06:58 午後    

火曜日 - 8 月 31, 2004

クリスティーナの好きなコト ★★


クリスティーナの好きなコト(02・米)
監督:ロジャー・カンブル
出演:キャメロン・ディアス、クリスティナ・アップルゲート、セルマ・ブレア
★★
80年代の日本のトレンディドラマのようだ。おバカな映画。

投稿時刻: 06:01 午後    

日曜日 - 8 月 29, 2004

ロッキー ★★★☆


ロッキー(76・米)
監督:ジョン・G・アビルドセン
脚本:シルベスタ・スタローン
出演:シルベスタ・スタローン、タリア・シャイア、ハージェス・メレディス
★★★☆
単なるサクセスストーリーかと思っていたら、なかなか凝った青春(?)映画だ。
脚本が非常に良い。キャラクターの性格付けもうまい。

投稿時刻: 05:58 午後    

金曜日 - 8 月 27, 2004

ミッドナイト・エクスプレス ★★★☆


ミッドナイト・エクスプレス(1978・英)
監督:アラン・パーカー
原作:ビリー・ヘイズ
脚本:オリバー・ストーン
出演:ブラッド・デイビス、ポール・スミス、ジョン・ハート
★★★☆
実話の映画化だそうだが、実話と考えるには少し眉唾。かなり誇張が入っていると見た。
内容はスリリングで面白いが、トルコ人が見たら気を悪くするだろう。
トルコの人権侵害が問題になったのも、この映画あたりからか……

投稿時刻: 05:50 午後    

木曜日 - 8 月 26, 2004

さらば愛しき女よ ★★★


さらば愛しき女よ(1975・米)
監督:ディック・リチャーズ
原作:レイモンド・チャンドラー
出演:ロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング、ジャック・オハロラン
★★★
レイモンド・チャンドラー原作のハードボイルド映画。
ロバート・ミッチャムのフィリップ・マーローが良い。でも、このテの映画でありがちだが、テンポが早すぎてついて行けない箇所があった。特に登場人物の名前がわかりにくくて混乱。何回か巻き戻して見て納得した。

投稿時刻: 05:46 午後    

土曜日 - 8 月 07, 2004

俳人芭蕉の生涯 ★★☆


俳人芭蕉の生涯(1949・東宝)
監督:高原登
解説:徳川夢声
ドキュメンタリー
★★☆
松尾芭蕉を紹介する教育映画。

投稿時刻: 07:08 午後    

土曜日 - 8 月 07, 2004

信濃風土記より 小林一茶 ★★★☆


信濃風土記より 小林一茶(1941・日本)
監督:亀井文夫
解説:徳川夢声
ドキュメンタリー
★★★☆
20年ぶりに見たがなかなか新鮮だった。
1941年頃の信濃の映像が美しい。江戸時代の風景があまり変わらずに残っている。まさに日本の原風景だ。その風景をバックに小林一茶の生涯と句を紹介していく。一茶の句も心に響いてくる。
20年前に見たときは、このような原風景の映像の良さもあまりわからず、一茶に対する共感もなかった。見るこちら側もそれだけ変わったということだろう(その上、20年間で国土は一段と荒らされているし)。

投稿時刻: 07:03 午後    

木曜日 - 8 月 05, 2004

ミラーを拭く男 ★★★☆


ミラーを拭く男(2003・パル企画)
監督:梶田征則
出演:緒方拳、栗原小巻、辺土名一茶、国仲涼子、津川雅彦、岸部一徳、大滝秀治、水野久美
★★★☆
ストーリーに意外性があったのでBS Hiで見てみた。まだ公開前だそうだ。公開前にテレビで放送しても良いものだろうか……
さて、話はなかなか面白く、さして起伏はないが流れるように進んでいく。しかし、主人公はその流れからも浮いている。この異色な、無口のキャラクター(ほとんど台詞がない)を緒方拳が好演している。
映像もきれいにまとまっているが、けれんの効いたこじんまりとした映像といった感じで、美しいが意外性はあまりない。
全体的によくまとまった映画で、劇場で見ても十分楽しめると思う。
個人的には最初の30分を省き、旅を中心にロードムービーとして淡々と描いた方が良いと思った。

投稿時刻: 06:19 午後    

月曜日 - 8 月 02, 2004

ピンポン ★★★☆


ピンポン(2002・アスミックエース)
監督:曽利文彦
原作:松本大洋
脚本:宮藤官九郎
出演:窪塚洋介、ARATA、サム・リー、中村獅童、大蔵孝二
★★★☆
単純だからエンターテインメントとして楽しめる。でもこんな高校生(中村獅童のコト)いないだろ。
原作はともかく、脚本はなかなか良い。

投稿時刻: 01:43 午後    

土曜日 - 7 月 31, 2004

ナージャの村 ★★☆


ナージャの村(1997・サスナフィルム)
監督:本橋成一
ナレーション:小沢昭一
ドキュメンタリー
★★☆
チェルノブイリ原発の爆発事故で放射能の影響をもろに受け、その後立ち入り禁止区域になった、現ベラルーシのある村の話。この村は立ち入り禁止区域に指定されたにもかかわらず、今でも6家族が暮らしている。外見上、放射能の影響はまったく見られず、放射能があるということを知らなければ、普通の暮らしを送っている田舎の農民以外の何者でもない。そういう意味では、タルコフスキーの『ストーカー』のようだ。
それでかれらは、放射能などないかのように実にのんびりと農的な生活している。ほとんどの人がいなくなったため、自然景観も美しく残され、残った人々は自然と一体化して暮らしている。
人の生活は、人為が少なくなればこれほど美しく自然に根ざした牧歌的なものになる。それが、原子力で破壊された村の現実であるとは、実に皮肉。
ただし、映画自体は全体に少し冗長な印象があり途中かなり退屈する。2時間は少し厳しいかなという印象だ。

投稿時刻: 01:34 午後    

火曜日 - 7 月 27, 2004

嵐が丘 ★★★


嵐が丘(1992・英)
監督:ピーター・コズミンスキー
原作:エミリー・ブロンテ
出演:ジュリエット・ビノシュ、レイフ・ファインズ
★★★
エミリー・ブロンテの原作小説を読む代わりに見た。なかなかハード。

投稿時刻: 01:18 午後    

火曜日 - 7 月 27, 2004

悲しみよこんにちは ★★★


悲しみよこんにちは(1957・英米)
監督:オットー・プレミンジャー
原作:フランソワーズ・サガン
出演:ジーン・セバーグ、デボラ・カー、デヴィッド・ニーヴン、ミレーヌ・ドモンジョ
★★★
最後まで飽きずに見れるが、どうってことない作品。原作がどうも……。

投稿時刻: 01:15 午後    

月曜日 - 7 月 26, 2004

HERO<英雄> ★★★★


HERO<英雄>(2002・中)
監督:チャン・イーモウ
脚本:リー・フェン、チャン・イーモウ
出演:ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー、ドニー・イェン
★★★★
チェーンアクションは、あまりに漫画的でしらけてしまうが、この映画の見所は(喧伝されているような)チェーンアクションだけではなかった。
ストーリーも一見単純そうだが、意外にも二転三転する。
しかしなんといってもすばらしい点は映像である。チャン・イーモウの映画は、どの映画も過剰なほど色彩を強調していて(フィルターを多用しているようだ)ちょっとやりすぎな場合もあるが、この映画の色彩効果は理想的である。絵画的な構図もすばらしく、撮影技術には舌を巻く。特に湖の決闘シーンは最高で、戦闘が舞踊のように展開される。
見る前は役者陣がどうかとも思った(5大スターの競演らしい)が、これもうまく扱われていて、鼻につくような演出もあまりなかった。
単なる娯楽映画のようで、深みがある。チャン・イーモウ、おそるべし。

投稿時刻: 02:38 午後    

日曜日 - 7 月 25, 2004

活きる ★★★☆


活きる(1994・中)
監督:チャン・イーモウ
原作:ユイ・ホア
出演:グォ・ヨウ、コン・リー、ニウ・ベン、グオ・タオ、ジアン・ユー
★★★☆
チャン・イーモウの映画にはほとんどはずれがない。この映画も例外ではなく、激動の近代中国を生き抜く家族を、すばらしい映像で追っている。
今、むちゃくちゃな行政が支配する日本に住んでいて、世の中がどう変われば良いか考えることが多いのだが、実際のところ個人の力で世の中が変わるものでもないのだ。つまり残された道は、どんなひどい世の中になってもなんとか生き抜くことで、それしかない。
この映画では、まさにそのことを痛切に訴えている。周辺の状況が悪化し不幸が続いても、そこここに小さな幸せがあるものだ。「生きる」ということはまさにそういうことで、そのことを実感することが「活きる」ことになるのだろう。

投稿時刻: 02:25 午後    

金曜日 - 7 月 23, 2004

トリュフォーの思春期 ★★★☆


トリュフォーの思春期(1976・仏)
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:フランソワ・トリュフォー、シュザンヌ・シフマン
出演:ジョリー・デムソー、フィリップ・ゴールドマン、リシャール・ゴルフィー
★★★☆
ある学校の風景を追いながら、いろんなエピソードを綴った、ドキュメンタリータッチの日記風の映画。だが、最後まで飽きずに見ることができる。
なるほどトリュフォーが描く「思春期」だと納得させられる。
虐待などといった今日的な問題も扱われており、興味がつきない。

投稿時刻: 02:43 午後    

月曜日 - 7 月 19, 2004

トロイ/愛と宿命の戦い 前編・後編 ★★★


トロイ/愛と宿命の戦い 前編・後編(2003・米、ギリシャ)
監督:ジョン・ケント・ハリソン
出演:シエンナ・ギロリー、ルーファス・シーウェル、マシュー・マースデン、ジョン・リス=デイヴィス
★★★
テレビ映画のトロイ戦争始末記。
ホメロスの「イーリアス」を読もうという気にはなかなかならないが、映画なら楽しめる。CGは少しちゃちだが、全体的になかなか良くできていた。
しかし、ギリシャ世界に動乱を巻き起こしたという絶世の美女がシエンナ・ギロリーでは、もう一つ説得力がない。TV版クレオパトラを見たときも感じたが、絶世の美女のキャスティングは難しいなと改めて思った。

投稿時刻: 09:35 午前    

木曜日 - 7 月 15, 2004

スミス都へ行く ★★★☆


スミス都へ行く(1939・米)
監督:フランク・キャプラ
原作:ルイス・R・フォスター
出演:ジェームズ・スチュワート、ジーン・アーサー、クロード・レインズ、エドワード・アーノルド
★★★☆
まず60年前と今の政治状況がまったく変わっていないことに驚く。
ある環境に場違いな人間が入ってきて引き起こされる騒動は、どのような話でもなかなか面白いものだが、それをアメリカ上院に置いて政治の不正を告発するという展開に持ってきたのは、なかなかである。
不正を行っている勢力による妨害工作はリアリティがあり、そら恐ろしいものがある。状況が今の日本にもぴったり合うのも嘆かわしい限り。
不正の告発が頓挫するような結末にすることはもちろんできないだろうが、過剰な理想主義が少し鼻につくのも確かだ。
しかし、息をもつかせぬ展開、随所にちりばめたウィットやユーモアなど、まったく見る者を飽きさせない手腕はさすがだ。実に映画的な映画である。

投稿時刻: 10:54 午前    

月曜日 - 7 月 12, 2004

アラビアのロレンス ★★★☆


アラビアのロレンス(1962・英)
監督:デヴィッド・リーン
原作:T.E.ロレンス
出演:ピーター・オトゥール、アレック・ギネス、オマー・シャリフ、アンソニー・クイン、ジャック・ホーキンス
★★★☆
以前からかなり楽しみにしていた映画で、時間を作って見た。やっと。
アクションシーンは確かにすごかったが、全体的に期待ほどではなかった。ロレンスの性格描写に一貫性がなく、どういう人間なのかよくわからない。それとも、あのように性格や行動が分裂した人間だったのかな。
アンソニー・クイン、オマー・シャリフが好演。
それから映像もすばらしい。後でスチル写真で見てあらためて感心した。

投稿時刻: 02:10 午後    

日曜日 - 7 月 11, 2004

蠅の王 ★★★


蠅の王(1990・英)
監督:ハリー・フック
原作:ウィリアム・ゴールディング
出演:バルサザール・ゲティ、クリス・フュール、ダニュエル・ピポリー、バジェット・デイル、ゲイリー・ルール
★★★
原作を読んだときにかなりの衝撃を受けたので、さすがに映画ではあまりショックはなかった。しかしできは大変良い。原作に忠実で、よく再現されていた。時間が短いのも良い。ただ、映画という時間枠の制約のために、物語内の時間の経過があまり感じられない点が残念。舞台劇のようにコンパクトになってしまった。

投稿時刻: 09:58 午前    

水曜日 - 6 月 30, 2004

リラの門 ★★★☆


リラの門(57・仏)
監督:ルネ・クレール
キャスト:ピエール・ブラッスール、ジョルジュ・ブラッサンス、アンリ・ビダル、ダニー・カレル
★★★☆
濃密でおもしろうござんした。緊張感が良い。

投稿時刻: 07:48 午前    

金曜日 - 6 月 25, 2004

ザ・ビッグ・ワン ★★★★


ザ・ビッグ・ワン(97年、米英)
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア、フィル・ナイト、リック・ニールセン、スティーブ・フォーブス、スタッズ・ターケル
★★★★
米国社会を浮き彫りにするマイケル・ムーアの長編ドキュメンタリー第2作。
DownSizing(リストラ)という名目で無情に切り捨てられる弱者たち。一部の人間だけが肥えふくれる病的なアメリカの不平等社会を描く。
アメリカ人が、こちらの予想と違って、ちゃんと社会生活しているのが意外。フレンドリーだし、秩序をよく守っている。もっと緊張感のある社会(ちょっと油断していると銃でおそわれるかのような)だと誤解していたが、画面からはまったくそんなことは感じられない(一部アブない奴は出てくるが)。恐怖をあおる多くの映像によって、こちらも大きな偏見を持っていたことを痛感させられる(これがムーアの1つのテーマでもあるんだが)。
マイケル・ムーアのバイタリティには感心させられっぱなしだ。

投稿時刻: 09:05 午前    

木曜日 - 6 月 24, 2004

ボウリング・フォー・コロンバイン ★★★★


ボウリング・フォー・コロンバイン(02年・米、加)
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア、チャールトン・ヘストン、マリリン・マンソン
★★★★
アメリカ、コロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件を取り上げ、銃規制について問題提起する映画。
中でも興味深かったのは、米国での銃による死者数が1万人を超え、隣のカナダで数百人という事実(ちなみにカナダでも銃規制はされていない)だ。その理由は、だんだんと明らかになるのだが、つまるところ、米国ではマスコミや政治家により常に恐怖心があおられていることと、カナダでは福祉が進んでいるというところに落ち着く。つまり、米国の銃社会は、何者か(おそらくは武器関連企業)に意図的に作り出されているということだ。
マイケル・ムーア監督の切り口も非常に鋭く、皮肉が効いた演出も良い。120分間、まったく飽きることがない。
ムーアの著書、『アホでマヌケなアメリカ白人』をあわせて読むとさらに愉しめる。

投稿時刻: 04:13 午後    

月曜日 - 6 月 21, 2004

ロジャー&ミー ★★★


ロジャー&ミー(89年、米国)
監督:マイケル・ムーア
出演:マイケル・ムーア、ロジャー・スミス
★★★
ミシガン州フリント。GMの工場閉鎖で失業者が多数発生し、町が壊滅していく様子を追ったドキュメンタリー。
GMの会長、ロジャー・スミスを追跡する。

投稿時刻: 01:53 午後    

月曜日 - 6 月 14, 2004

月光の囁き ★★


月光の囁き(1999・ピターズ・エンド)
監督:塩田明彦
原作:喜国雅彦
出演:水橋研二、つぐみ、草野康太
★★
この映画にはサブプロットらしきものがない。短編であればなくても良いのだが、長編でサブプロットがないと、内容に重みがない上浅薄になりがちだ。この映画の内容であれば、15分から30分程度あれば十分だが、100分近くまでのばしているので、非常に間延びした感じがする。映像を見てくれということなのかも知れないが、映像から何かが喚起されるようなものもあまりない。むしろ、純愛映画で終わった方が良かったくらいだ。
登場人物の嗜好もまったくわからないではないが、全体的に違和感がある。つまりリアリティがない。
とにかく見ていて退屈で、途中から本を読みながら見ていた。

投稿時刻: 10:23 午前    


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