ぼくはオンライン古本屋のおやじさん ★★★オンライン古本屋の先駆ともいうべき杉並北尾堂の、古本屋開店(および繁盛)記。
写真も多く、内容も非常に具体的で、オンライン古本屋を疑似体験できる。 老後の仕事にもってこいみたいなことが書かれていて、それが私の琴線に触れた。それで一層生々しさを感じながら読むことになった。だが、毎月の売り上げは10〜20万円程度で、もうけが5〜10万円というのは、やはり副業でなければきつい。しかもこの人の場合、かなりうまくやっているという印象だ(固定客もついているようだし)。実際に始めてみてこのレベルが達成できるかは、少し疑問。だが、この本を読むと、やってみようかなという気になるのも事実。実際、この本を読んでオンライン古本屋を始めた人もいる(『駆け出しネット古書店日記』の野崎正幸氏)。 なかなか面白い本だが、後半収録されている日記は、前半の古本屋開店記とかなり重なるし、日記という形式も読みづらい。それに少し冗長だ。「杉並北尾堂」のホーム・ページに載せていた日記らしいが、この部分は適当にはしょった方が、本にしまりが出たような気がする。 それからタイトルも少し気恥ずかしい。 追記:文庫にもなっているようだ。それから続編(『へんな本あります -- ぼくはオンライン古本屋のおやじさん2』)も出ている(こちらは未読)。 なお「タイトルが少し気恥ずかしい」と書いたが、その後、早川義夫の著書に『ぼくは本屋のおやじさん』という本があることがわかった。そのため、前のタイトルについてのコメントは撤回したいと思う。自らの不勉強を恥じる次第である。 投稿日: 土 - 7月 2, 2005 10:59 午後 |