急増! ネット依存の恐怖 ★★★


急増! ネット依存の恐怖(2004年)
日本テレビ NNNドキュメント
★★★

インターネット依存症患者の増加を告発するドキュメンタリー。
チャット依存を問題提起した点で評価したいが、内容はずいぶんとでたらめである。
まず、番組内で「(インター)ネット依存」という言葉を使っていたが、紹介される患者(?)は全員ネットゲーム依存者であった。ネットゲームを日がな一日中やっていて(そのうちの一人は仕事も辞めたらしい)それをやめようとしない人々が登場する。確かに依存症に近い印象を受けたが、依存症というのは、本人がやめたいがやめられない状態を指すのだと認識しているがどうだろう。そういう意味ではかれらは必ずしも依存症とは言えないのではないか。
また、精神科医によって、数人の症例が紹介されたが、そちらもチャット依存だった。紹介されるネットゲームもチャットが中心のもので、正確を期すならば「ネット依存」ではなく「チャット依存」と表記すべきである。また「インターネットをやめられない」とか「インターネットをする」とかいう曖昧な表現も頻出する。
番組の最後に先述の精神科医が、誇大妄想になって精神に異常を来した(という)1人のチャット依存の患者を紹介していた。つまり「インターネットをやり」すぎることで精神に障害を来すこともあるということらしい(番組の結論もそうだった)。だが、1人の症例でこのような結論を出すことはあきらかに間違っている(もともと障害があった人がたまたまチャットにはまっていただけかも知れない)。
このように、用語の定義が曖昧で、(日テレらしく)結論もいいかげんなドキュメンタリーであったが、チャット依存を告発したという点では斬新である。

投稿日: 月曜日 - 1 月 24, 2005 10:31 午前          


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