ソマリア難民 アフリカへ大量移住 ★★☆


ソマリア難民 アフリカへ大量移住
(2004年・仏 ELEPHANT & Cie)
NHK BS1 BS世界のドキュメンタリー
★★☆

ソマリア内戦で故郷を追われケニアの難民キャンプでひどい暮らしを強いられている(という)ソマリア難民。
そのソマリア難民のうち1万5千人を米国が引き受けることになった。アメリカへは、数百人単位で随時移動し、それぞれ3ヶ月間は米政府から経済的な援助があるらしい。ってことは、4カ月目からは自活しなければならないということ。英語も話せないソマリア人がいきなりアメリカで生活できるのか。援助が終わったら路頭に迷うのではないだろうか。そんな心配をしながら見た。
番組では、ある家族にスポットを当てて、ケニアからアメリカに至り、アメリカで新生活を始めるまでを追っている。
アメリカに行く前に、難民キャンプで5日間の研修があり、アメリカの習慣や簡単な挨拶を勉強する。容易に想像がつくが、いい加減なものだ。こんなので弱肉強食のアメリカ社会を生きていけるのか?! 「アメリカなんかやめといた方がいいのに……」などと思いながら見る。
やがて、アメリカへ出発。飛行機でカイロ、ニューヨークを経由し、ソルトレークシティに到着。
いよいよそこで新生活を送る。当地にはすでに息子たち数人が数カ月前から滞在していたので、気は楽だ。
しかし、やがて大変な苦難が待っていた……なんてことになるかと思ったら、番組はそこで終わってしまった。最後のナレーションによると、父、母、息子、それぞれが仕事に就けて(!)、中学生の娘も中学校に元気に通い始めたということだ。でも英語ができない難民がそんなに簡単に仕事に就けるのだろうか。はなはだ疑問だ。
結局、おのぼりさんの大都市移住記みたいになって、ドキュメンタリー番組としてはちっとも面白くなかった。もっとも、登場する難民の人々にとっては良かったのだが。でも本当にこれがアメリカの現実なのだろうか。

投稿日: 水曜日 - 5 月 11, 2005 10:33 午後          


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