うつうつひでお日記 ★★★☆


うつうつひでお日記
吾妻ひでお著
角川書店
総合:★★★☆
意外性:★★★☆、読みやすさ:★★★、娯楽性:★★★、普遍性:★★★☆、訴求力:★★★☆

傑作『失踪日記』を執筆していた時期に、平行してつけていたマンガ日記をまとめたもの。『失踪日記』ほどの強烈なインパクトはなく、ブログみたいな「何を食べて何を見た」というレベルの日記ではあるが、著者の経験が経験だけに、楽しく読める(と思う)。
ろくに仕事もせず(できず)図書館に通いづめで(傍目には)のんびりした生活を送っているなど、どこか私自身にも似ており(格闘技(K1やPRIDE)をテレビでよく見ている点も共通……曙評など共感)、身につまされる。将来に対する不安などもよくわかるし……。
この後、著者は『失踪日記』でブレイクするわけで、その辺の事情は、世の中に出ていく新進作家の境地と捉えることもでき、ある意味、サクセス・ストーリーみたいな感じで読むこともできる。俺もがんばらにゃあと思わせる。内容は暗いが元気が出る(かもしれない)。

投稿日: 木曜日 - 8 月 10, 2006 06:08 午後          


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