近所がうるさい! 騒音トラブルの恐怖 ★★★☆


近所がうるさい! 騒音トラブルの恐怖
橋本典久著
ベスト新書
総合:★★★☆
意外性:★★★★、読みやすさ:★★★、娯楽性:★★★、普遍性:★★★★、訴求力:★★★☆

日本で増えている近所との騒音問題について言及した本。著者は建築音響の専門家。つまり、建築における騒音対策が専門。それで、建築的な観点から明確な解決策が示されるかと思いきや、最終的には「騒音を気にしないことが解決策」と、なかなかつれない。
確かに近隣との騒音問題は、環境騒音と違い、ほとんどが本来我慢できる範囲のもので、騒音主に対する感情的な問題が絡んでいる(著者のいわゆる「煩音」)ことはわかるし、「気にしないことが解決策」というのもよくわかる。だが、本書全体を通じて、これまで実際に起こった騒音関連事件が数々紹介されている(戦慄すべき事例もある)のに、この結末は少しもの足りない。読み終わって暗澹たる気持ちになってしまった。
結局のところ、騒音問題は難しいという結論に達するわけか……。

投稿日: 金曜日 - 8 月 11, 2006 06:20 午後          


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