コンクリートが危ない ★★★


コンクリートが危ない
小林一輔著
岩波新書
総合:★★★
意外性:★★★☆、読みやすさ:★★☆、娯楽性:★★☆、訴求力:★★★☆

1960年代半ば以降に作られた日本のコンクリート建築物がいかに危険か説く本。
昨今違法マンションが話題だが、建築基準法に合致している建築物でも事情は大して違わないというのがよくわかる。
1960年代半ば以降、建築ラッシュのために原料(コンクリートの資材)不足に陥り本来適さない材料がコンクリートに使われたこと、仕事の合理化のために水分の多すぎる生コンが使われたこと、建築物自体に手抜きが横行していることなどが本書で指摘されている。同様の事実は、かつてNHK特集でも放送されたが、それ以上に詳細で多岐に渡り、衝撃的な内容であった。
著者はコンクリートの専門家らしく、例によって専門的でわかりにくい箇所も結構あるが、全体を通じて非常に論理的な構成になっている。

投稿日: 金曜日 - 11 月 03, 2006 04:09 午後          


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