シュリーマン旅行記 清国・日本 ★★★☆


シュリーマン旅行記 清国・日本
ハインリッヒ・シュリーマン著、石井和子訳
講談社学術文庫
★★★☆

トロイ発掘で有名なシュリーマンの処女作は、なんと旅行記だった。それも幕末日本の。
幕末の日本のありさまが生き生きと描かれていて興味深い。このころの欧米人旅行者は、概して幕末日本に対して好意的である。その多くが「清潔で平和」であることに驚嘆し感心している。シュリーマンもその一人だ。かねてから、日本に旅行した欧米人から日本に行くよう勧められていたそうである。
シュリーマンの見た日本は、確かにおおらかで美しい。そして今の日本にその多くが失われてしまったことを再認識させる。
一方でシュリーマンは、当時の清国に対しては非常に厳しい見方をしている。本来すばらしい文化を持ちながら、政治の腐敗のため、文化もまさしく腐敗していると分析する。
凋落する大帝国と、自然と調和しながら悠然と生きる小島国。その対比も面白い。

投稿日: 月曜日 - 9 月 27, 2004 03:54 午後          


©