ギャンブルフィーヴァー 依存症と合法化論争 ★★★☆


ギャンブルフィーヴァー 依存症と合法化論争
谷岡一郎著、中公新書
★★★☆

ギャンブル依存症の実態を追求する本と思って読んだのだが、依存症のことよりも合法化論争に重きを置いている。
ギャンブルはレジャーとして公認すべきで、公認することで収支が明朗になり、地下に潜って地下組織の資金源になることも避けられるというのが、著者の主張。また、現在の日本の公営ギャンブルの極めて高い控除率(テラ銭)も、競争のない寡占状態から生み出されたのであるから、ギャンブルの合法化で、このような異常な状態も改善できるという。ギャンブル反対者の論拠も多くはでたらめであり、一番問題になるギャンブル依存症についても、ギャンブル業者から一定の資金を集めることで対応すべきだと説く。
なかなか目新しい論旨だが、ギャンブル依存症の人間が周りにいる私としては、諸手をあげて賛成することはできないのだ。
私も、本書で紹介されている「ギャンブル(カジノ)に反対する人々」に入るのだろう。

投稿日: 水曜日 - 8 月 25, 2004 10:58 午前          


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