ナージャの村 ★★☆


ナージャの村(1997・サスナフィルム)
監督:本橋成一
ナレーション:小沢昭一
ドキュメンタリー
★★☆

チェルノブイリ原発の爆発事故で放射能の影響をもろに受け、その後立ち入り禁止区域になった、現ベラルーシのある村の話。この村は立ち入り禁止区域に指定されたにもかかわらず、今でも6家族が暮らしている。外見上、放射能の影響はまったく見られず、放射能があるということを知らなければ、普通の暮らしを送っている田舎の農民以外の何者でもない。そういう意味では、タルコフスキーの『ストーカー』のようだ。
それでかれらは、放射能などないかのように実にのんびりと農的な生活している。ほとんどの人がいなくなったため、自然景観も美しく残され、残った人々は自然と一体化して暮らしている。
人の生活は、人為が少なくなればこれほど美しく自然に根ざした牧歌的なものになる。それが、原子力で破壊された村の現実であるとは、実に皮肉。
ただし、映画自体は全体に少し冗長な印象があり途中かなり退屈する。2時間は少し厳しいかなという印象だ。

投稿日: 土曜日 - 7 月 31, 2004 01:34 午後          


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