ワダチ ★★★☆
ワダチ
松本零士著
小学館
★★★☆
松本零士のSF大作。
日本人全員が65万光年のかなたの大地球に移住するという壮大な話で、松本零士が好きそうな要素が詰まっている。途中まで『男おいどん』のノリで話が進むが、一気にSF化して、最後は西部開拓時代のようなサバイバル話になっていく。主人公、山本轍の楽観性が心地良い。
壮大な話だが、細かい部分はうまいことごまかしていて、なかなかリアリティがある。SFとしても出色のできではないだろうか。この後の、松本SFの原点ともいうべき作品で、佐渡酒造(さどさかぞう)やハーロックなどのキャラクターも出てくる(『宇宙戦艦ヤマト』につながる要素があちこちにある)。松本SFの中では最高傑作と言っても過言ではないだろう。
投稿日: 木曜日 - 11 月 10, 2005 08:43 午前