世界の戦場で、バカとさけぶ ★★★


世界の戦場で、バカとさけぶ
橋田信介、橋田幸子著
アスコム
★★★

2004年イラクで客死した戦場カメラマン、橋田信介の遺稿集。ウベニチ(山口県の地方紙)に連載していた「メコン河の風にのせて」と「ババボボ日記」を再収録したもの。奥方の橋田幸子氏も何本か書いている。
著者の前著に『イラクの中心でバカとさけぶ』があるが、『世界の戦場で……』の方が、橋田氏の人となりがよく出ている。前著はむしろ、小説みたいな趣があり、それが一級のエンターテイメントになっていた。本書は多少趣が異なっており、むしろ文明批評エッセイみたいな要素が強く、個人的にはあまり賛同できない見解が多かった。反感は持たぬが。
本書で一番秀逸なのは、皮肉なことに、橋田幸子氏が書いた「あとがき」だ。単純な思考を持つすべてのババボボ保守主義者にぜひ読んでほしいものだ。

投稿日: 日曜日 - 9 月 04, 2005 03:31 午後          


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