秋刀魚の味 ★★★★☆
秋刀魚の味(1962年・松竹)
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧、小津安二郎
撮影:厚田雄春
出演:笠智衆、岩下志麻、佐田啓二、岡田茉莉子、三上真一郎、東野英治郎、中村伸郎、北竜二、吉田輝雄、杉村春子、岸田今日子、杉村春子、加東大介
★★★★☆
小津安二郎の遺作。この映画を見たのは、今回で4回目か5回目だが、何度見ても面白いし、心地良い。愉快ッ、愉快ッ!(ここらへん東野英治郎風)
小津安二郎の最高傑作であり、集大成と言っても過言ではあるまい。
前回見てから10年くらい経っているが、こちらも年を経てきているせいか、これまでと違ったところに目が行った。最初見た(20年以上前)とき、岩下志麻の横顔のショット(駅のホームのシーン)で、(吉田輝雄演じる)三浦に気があるなと気付いた(このあたり、小津安二郎の表現のすばらしさ)が、今回はこのシーンに限ってはあまりぴんと来なかった。年のせいか……。とは言え、至る所にこういう上品な表現がちりばめられている点、やはり小津映画の最高傑作と私が考えるゆえんでもある。以前、小津の評伝を読んでいたら、「客が気付かなくても良いから、描きすぎないように心がけていた」というような記述があった。わかる人だけわかれば良いということか……。
投稿日: 土曜日 - 11 月 19, 2005 05:44 午後