幕末太陽傳 ★★★☆
幕末太陽傳(1957年・日活)
監督:川島雄三
脚本:田中啓一、川島雄三、今村昇平
出演:フランキー堺、左幸子、南田洋子、石原裕次郎、芦川いづみ、山岡久乃、小沢昭一、二谷英明、小林旭
★★★☆
落語の『居残り左平次』の翻案と聞いていたが、『居残り左平次』だけでなく『品川心中』や『三枚起請』などもエピソードとして盛り込まれていた。
また、夏目漱石の『我輩は猫である』に出てくる「かわいそうだた惚れたってことよ」(「Pity
is akin to
love.」の訳文)という台詞もさりげなく出てきたり、脚本担当者(今村昇平も参加している)の遊び心が随所にちりばめられていて面白かった。何回か見ると、もっと別の発見があるかも知れない。
ストーリーについては、ちょっとどうかなと思う部分もあるが、遊郭の雰囲気が再現されていて味わい深い。それに、今では考えられないほど、セットが豪華! さすが全盛時の日活! だが日活のニューフェース俳優たちの演技は飛び抜けてひどかったぞ。あんまりひどいんで逆の意味でよく目立った。監督も演技面であまりいろいろと要求できなかったに違いない、などといろいろ思いを馳せる映画だった。
投稿日: 月曜日 - 9 月 05, 2005 03:48 午後