南部の人 ★★★
南部の人(1945年・米)
監督:ジャン・ルノワール
原作:ジョージ・セッション・ペリー
出演:ザカリー・スコット、ベティ・フィールド
★★★
ジャン・ルノワールがアメリカに渡って撮った代表作(らしい)。
米国南部の貧しくて厳しくも人情深い生活を扱っているが、ジョン・フォードの『怒りの葡萄』のような、社会の矛盾をついた告発ものではない。もう少しおおらかでのんびりしたところがある。『大草原の小さな家』に近いか……。主人公は確かにいろいろな苦難を突きつけられるが、どこか牧歌的である。それだけに、見ていて少し物足りなさを感じた。芝居として完結しているような感じで、わき出すものがないというか……。ちょっと退屈した。
動物を狩って、家族全員でむしゃぶりつくように食うシーンは、空恐ろしくもあった(喜びに満ちたシーンのようだが)。アメリカ人ってのは野蛮だなと素直に感じた。
投稿日: 水曜日 - 11 月 30, 2005 09:01 午前