冬の華 ★★★☆


冬の華(1978年・東映)
監督:降旗康男
脚本:倉本聰
音楽:クロード・チアリ
出演:高倉健、池上季実子、田中邦衛、藤田進、三浦洋一、北大路欣也、倍賞美津子、池辺良、小林亜星、小沢昭一、大滝秀治
総合:★★★☆
意外性:★★★☆、映像:★★★、娯楽性:★★★★、完成度:★★★☆、訴求力:★★★☆

東映のヤクザ映画なんだが、殺伐とした部分だけでなく、心温まる要素や生活感なんかも盛り込まれていて、非常に良くできたシナリオに感心する。70年代から80年代前半といったら、倉本聰の絶頂期である。
メインとなるストーリーは、悪に挑むヒーローといった感じで、60年〜70年代の東映ヤクザ映画(特に『昭和残侠伝』!)のオマージュみたいなものである。だが、池辺良が高倉健に早々に刺されるなんざ、ちょっとしたパロディみたいにも感じられる。
基本的に高倉健をいかに活かすかというコンセプトなんだろうが(この後の『駅 STATION』でも同様)、十二分に活かしきっているのがさすがである。意図的だかどうだか知らないが『幸福の黄色いハンカチ』(こちらも高倉健の魅力の映画)を彷彿とさせるようなシーンもあった。
登場人物もそれぞれに魅力的である。キャスティングも豪華で、それこそ「華」がある。
クロード・チアリの音楽が、また良い雰囲気を出しているんだな、これが。

投稿日: 土曜日 - 8 月 19, 2006 10:21 午後          


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