珈琲時光 ★★☆
珈琲時光(2003年・松竹)
監督:ホウ・シャオシェン
脚本:チュー・ティエンウェン、ホウ・シャオシェン
出演:一青窈、浅野忠信、萩原聖人、余貴美子、小林稔侍
総合:★★☆
意外性:★★、映像:★★★、娯楽性:★★、完成度:★★☆、訴求力:★★
途中でいったん見るのをやめて、2カ月後に続きを見た。こういう見方をしたのは『鉄の男』以来だ。
小津安二郎生誕100年記念映画ということで、ホウ・シャオシェンが、小津を意識して作った映画である。ホウ・シャオシェンも小津安二郎も好きな監督(確かに共通点あるよな)なので、かなり期待して見たのだった。
内容としては、大きな事件は特に起こらず(この辺、小津風)、東京に住むあるフリーライター女性の日常が淡々と描かれる。
全編、ドキュメンタリー・タッチでとってもさりげない。さまざまなアイテムも次々と繰り出されるが、掘り下げられることもなく、表面をスーッと通り過ぎていく。あまり意味がない(と想われる)カットが延々と垂れ流される……こうして、まさに日常が描かれるのだが、映画として見るにはちときついのではないか。環境映像として垂れ流しにしておく……そんなイメージである。
演技も非常にさりげなく、若者の日常会話はこんな感じかと想わせるものがある。でも、それが少し不愉快だったりする(私にとって)。映像は、綺麗な箇所もあるが、全体に長回しが多くて少しきつい。
さりげない映画は大歓迎なのだが、この映画については、どちらかといえば「無内容」と表現した方が良いのではないかと思う。がっかりなホウ・シャオシェン作品であった。
投稿日: 土曜日 - 8 月 12, 2006 11:35 午後