敬愛なるベートーヴェン ★★★


敬愛なるベートーヴェン(2006年・英・ハンガリー)
監督:アニエスカ・ホランド
出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード
総合:★★★
意外性:★★☆、映像:★★★、娯楽性:★★★☆、完成度:★★★☆、訴求力:★★★☆

そこそこ良くできた芸術映画という印象。第九作曲前後のベートーヴェンの生き様を女性写譜師の目で投影する。
ストーリーは、芸術映画でよく使われるパターンを踏襲しており、意外性もあまりなかった。ベートーヴェンの人物像についてのイメージがない人が見ると驚くかも知れないが、私の持っているベートーヴェンのイメージは、この映画以上に粗野かつ粗暴なものである。そういう点も少し物足りなさが残った原因だと思う。
だが、ベートーヴェンの音楽が、良い音響でふんだんに聴けるので、音楽映画としては楽しむことができた。第九の演奏も非常に良かった。第九だけで感動できる。
それから『敬愛なるベートーヴェン』というタイトルだが、ちょっとひどすぎるんじゃないか。もう少し工夫がほしい。なお原タイトルは『Copying Beethoven』で、直訳すれば『ベートーヴェンを写す』ということになる(この方がまだましなような)。

投稿日: 火曜日 - 12 月 12, 2006 11:04 午前          


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