仕立て屋の恋 ★★★★


仕立て屋の恋(1989年・仏)
監督:パトリス・ルコント
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:パトリス・ルコント、パトリック・ドゥヴォルフ
出演:ミシェル・ブラン、サンドリーヌ・ボネール、リュック・テュイリエ、アンドレ・ウィルム
総合:★★★★
意外性:★★★★、映像:★★★☆、娯楽性:★★★☆、完成度:★★★★、訴求力:★★★☆

異色の恋愛映画。これを恋愛映画と言って良いのかはよくわからないが。だが恋愛の機微などはうまく描かれている。
見た後に虚脱感が残るような映画で、ちょっとロベール・アンリコの『ふくろうの河』を彷彿とさせる。映像は少し薄気味悪いが、同時に美しくもある。
ストーリーの作り手は、おそらく最後の方の例のショッキングなシーンから発想したんじゃないかと思う(私も同様の話は聞いたことがあった)が、これだけの話に仕立てたのはなかなかの技量である。まさにドラマ界の仕立て屋!
最近、ルコントをはじめとするフランス映画をよく見るが、ここ15年くらいのフランス映画は非常に洗練されていて、しかもエレガンスが漂う素敵な作品が多いように思う。恋愛映画は元々あまり好きではないのだが、ここらあたりの恋愛映画は違和感なく見ることができる。そう言えば『ふくろうの河』もフランス映画だ(こちらは恋愛映画ではありません)。

投稿日: 日曜日 - 12 月 24, 2006 10:40 午後          


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