本にまつわるあれこれ その1
副題:誰が本を殺すのか……あ、オレか……
「本が売れなくなった」とか「若者の活字離れが嘆かわしい」とか言われる昨今。だが若者はいつもケータイでメールを利用しており、我々の若い頃よりもむしろ活字依存を深めているのではないかと思う。本が売れないのはくだらない本が多いからだ。
本屋に行ってみると、あまりのレベルの低さに驚く。本屋で売られている本の9割はゴミだというのが私の持論だったが、現在では9割5分くらいまではゴミだと断定できる。どうしてこういう劣悪な企画の本を作ってしまうのか、出版担当者に訊きたいくらいだ。
私が学校を卒業した頃(今から20年ほど前)、マスコミ関係業種がちやほやされて、大卒者の人気職種の上位にマスコミ関連が君臨していた。で、当然、成績優秀者がマスコミに集まることになる。結果的に、こういうエリートさんの作る、当たり障りのないくだらないものが、蔓延するということになる(以前、放送のところでもこんなこと書いたような……)。それに加えて、企画力の貧困さは目を覆うばかりだ。貧困な企画力しか持っていない者が企画の主導権を取ろうとするから、ろくなものができないのだ。日本の映画産業も同様だ。ある映画会社では、営業サイドが製作に深くコミットしているので、つまらないものばっかり作っている。よくシラフでこんな企画通すよなというようなものが多い。製作は製作サイドにまかせておけと言いたい。
とは言うものの、ゴミ本だらけの現状でも、中には良い本もあるもので、そういう本を求めて漁っているわけだ。ただ、本屋で面白そうと思って衝動買いしてみても、その多くは、ゴミだったりするわけだ。これは宣伝部の勝利(あるいは謀略)ということになるか。でも買う方は、そう何度もだまされたら、もう金輪際だまされないと思うわけだ。そんなわけで、良識のある読書人はどうだか知らないが、私は本を買わなくなってしまった。正直、今の日本の出版状況に絶望しているわけだ。興味のある本はとりあえず図書館で借りて読んでみる、面白かったら身銭を切って買う、と、こういう手順を踏むようになった。こうすると、くだらない本が家に増えることもないし、金を無駄使いすることもないし(「本日記」で★4つ付いているものは大抵買ってます、意外に思われるかも知れませんが)。
そういうわけでお奨めです>図書館。
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「その2」に続く --
投稿日: 火曜日 - 9 月 27, 2005 06:09 午後