福岡正信はこう語った昨日、『自然農法 福岡正信の世界』というDVDを見つけ、即購入した。
福岡正信という人をご存じだろうか。 福岡正信は超人である。超人という言葉が似合うと言えば、スーパーマンとツァラトゥストラを除けばこの人しかいない。 自然農法を提唱する人(某宗教団体でも「自然農法」という用語を使っているがそれとは別物)で、同時に実践家でもある。 簡単に言えば、野菜や穀物や果物は、それ自体に生長する力があるので、農薬をかけたり耕したりせずに、ほとんど人力を加えず、自然の摂理に任せれば、一定の収穫が得られる、というもの。実際にこの人は、愛媛の、かつてミカン畑だった山を自然農園に変貌させ、果物がそこらへんに転がるように生えている状態を作り出している。 15年ほど前、この人のことがNHKの「にんげんマップ」という番組で紹介されているのを見たとき、あまりの衝撃に私はぶっ飛んでしまった。その後、何冊か著書を買って、いつかは自分でも自然農法を実践してみたいなどと思っていたのである。 この人の著書に感銘を受けた人は世界中にいるらしく、いろいろな国から彼のもとへ修行に来ているようだ(著書「わら一本の革命」もいろいろな言語に翻訳されているらしい)。日本より他国で名前が通っているのかも知れぬ。まさに「世界の」マサノブ・フクオカ!(こういう書き方、嫌いなんだが) ギリシャのはげ山の緑化に携わっているあるギリシャ人は、福岡氏の粘土団子方式を使って成功しているらしい(テレビ朝日系のテレビ番組「すてきな宇宙船地球号」で紹介されていた)が、このギリシャ人も福岡氏のもとで修行していたと言っていた。 不耕起農法を提唱している川口由一という人も感銘を受けたらしく、数年間トライしたそうだが、うまくいかず、独自の方法にアレンジしたという。岩沢信夫という人も同じようなことを言っていた(福岡式自然農法は、福岡氏によるとそれほど難しいことではないそうだが、実際に同じ方法でうまくいったという人はあまりいないようにも思える)。 このように、福岡氏は農業や環境面で大変大きな影響を及ぼしている。 「にんげんマップ」を見たときは、ビデオで撮っていれば良かったと悔やんだものだ。なんせ映像で見るのが一番説得力がある。映像を見たいとずっと思っていたのだ。そんなときにこのDVDだ。 今回、春愁社は、これまで品切れになっていた同氏の多くの著書も再発した。私が古本屋を探し回ってやっと手に入れたものも出た。そういう意味では、少し悔しい……。最近の出版状況で、絶版や品切れの多いのにはずいぶん憤っていたが、春秋社はきちんと出版社の責務を果たしていると言えるだろう。春秋社エライ。 福岡式自然農法は、次世代に伝えていくべき日本の財産である。 投稿日: 木曜日 - 1 月 27, 2005 10:15 午後 |