ご冗談でしょう、タチバナさん
昨日、TBSのNews23を見ていると、立花隆が出てきて、ライブドア事件についてブラック・マネーが関わっているのではないかとしたり顔で言っていた。なんでも、フジテレビ買収騒動あたりから、ライブドアにブラック・マネーが大量に流れ込んでいたらしく、検察はそこまで視野に入れて操作に踏み切ったのかも知れないとかなんとか言っていた。ライブドアNo.3の野口氏も自殺か他殺かわからないと意味深なことを言っており、おう、なかなか鋭いじゃん、と感心して見ていたのだが、翌日、週刊文春(2006年2月2日号、前日発売分)の「本当に自殺なのか 野口“怪死”と堀江の“闇”」という記事を読んでみると、これがまあ、前日の立花隆の話とそっくりの内容で、なんだ、立花隆のネタ元はここかと少々拍子抜けしたところだ。立花隆のオリジナルの部分と言えば、「ライブドアの手口は田中角栄がやっていた方法とよく似ており、悪いヤツは考えることも同じだ」という部分くらいだった。
だが、この週刊文春の記事は、この週刊誌にしては珍しく読み応えがあった。実際に現場を取材したところ、自殺と断定できる要素が少ないということなのだ。たしかに首、両手首、腹を切ってあたりが血の海になっていたという新聞記事(警察発表)を読んで、ヲイヲイと思っていたが、やはり……という感じである。足を使って取材したという感じがよく出ており、内容も濃かった。また、ライブドアとブラック・マネーの関わりについても詳細な記述があった。よく書いた、パチパチ。
ただしそれ以外の記事は、相変わらず、くだらない無内容の記事とふぬけエッセイばかりで、まったく一顧だにも値しないようなシロモノだった。ぜひ書店で立ち読みまたは図書館で座り読みしていただきたい。
News23関連でもうひとつ。その何日か前にNews23に、なんとあのナベツネが出て筑紫哲也のインタビューを受けていた。筑紫哲也とナベツネという取り合わせもすごいが、中曽根政権を言論面で支えあの新憲法案を出したナベツネが、しごくまっとうなコイズミ批判をしていたので少々驚きであった。今みたいに世間が右傾化してくると、右も中道に見えてくるのか……と、あらためて感じた次第だ。まあ、そもそも右だの左だのという類型がすでに過去のものになったのかも知れない。今の世の中、強いて言うなら、利己主義者かそうでないかという分け方が適切だと思うがいかがであろうか。
投稿日: 金曜日 - 1 月 27, 2006 10:21 午後