スポーツ・マスコミ…… おいおい、またサッカー・ネタかよ


 


6月23日の『報道ステーション』を見てたら、やっぱり「あのブラジルと引き分けた」(サッカーのコンフェデ杯のこと)ことを強調してて、しかも「今回のブラジル代表はフルメンバー」などとナレーションで言っていた(キャスターが後で「フルメンバーではないようですが」と訂正していたが)。実際のところ、ブラジル代表監督には、日本戦では若手を試すという意図があった(事前にそういう発言もあった)ようで、スターティング・メンバーも前の試合から変わっていた上、途中からも若手がどんどん投入されてきた。まったくもって勝ちにだけこだわるという試合ではなかったということだ。「今回のブラジル代表はフルメンバー」というのは、誤報もいいとこだ(自分たちの都合の良い結論に持っていこうという意図さえ感じる)。
そもそもマスコミには、サッカーについては強烈なブランド志向というものがある(サッカーに限らないと思うが)。やたら「格上」、「格下」などと連発していることからもわかる。ブラジルやフランスなど、ブランド・イメージの高いチームと闘って善戦したら、「力がついた」などとやたら持ち上げ、アジアの(サッカーの上で)無名チームに苦戦したら「こんなことじゃ先が思いやられる」などと言う。そもそもチーム同士の相性もあるし、試合の条件や状況も違うのだから、そんなに単純に比較できないじゃないか。
ワールドカップ・アジア一次予選で対戦したオマーンなどは、まだまだサッカーでは無名だが、非常に水準の高い試合をしていた。おそらく日本やイランなどと別のブロックだったら、間違いなく二次予選まで勝ち上がっていたいただろうと思う。一次予選で日本がこんなチームと同じグループに入ること自体不運だったのだ。日本が勝ち抜けたのも、両者に国際試合の経験(いわゆる「国際経験」)の差があったことが大きいが、それより何よりラッキーだったせいだ。逆に今回のコンフェデで対戦したギリシャは、ヨーロッパのチャンピオンとは思えないしょぼいチーム(当時とメンバーも違っているし、モチベーションにも差があるので、ギリシャのサッカーが弱いとは即断できない)で、大差をつけて勝てる試合だったにも関わらず、マスコミは「ヨーロッパのチャンピオンに勝った」ことばかりを強調する。サッカー・マスコミには、内容をしっかり見た上で批評して欲しいと思う。まだまだ日本のサッカー・マスコミは青い。
もっとも、野球でもいまだに「大リーグ信仰」というブランド志向がある。
日本でも試合が頻繁に放送され、日本の選手がこれだけ活躍しているにも関わらず、メジャー・リーグはいまだに「スーパー・ハイ・レベルの謎のベースボールを展開する未知のスポーツ・リーグ」という扱いが多い。おそらく『巨人の星』のイメージをいまだに引きずっているんだろう(謎の魔球が「大リーグ・ボール」なんだからね)が……何試合か見たら実像が見えてきそうなもんだがね。「あのボンズから三振を奪った」とかいまだに耳にする。そりゃあボンズだって三振くらいするだろうに。リーグや国籍に関係なく、トップの選手は別のリーグ(国)に行ってもトップ・クラスの実力があるってことをそろそろ理解した方がいいんじゃないの。
日本の野球マスコミなんて、50年以上スポーツ・マスコミのトップに君臨しているのに、いまだにスカタンなことしか報道できていない。自分の目で試合を見て、自分の頭で考えたことを、人に披露してほしいものだ……< 最低限のマナー!

投稿日: 金曜日 - 6 月 24, 2005 10:12 午前          


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