死んだネコの残したものは…… 続報(写真と本文は関係ありません。)
前にこのブログで紹介した、床下の猫の話(「
死んだネコの残したものは…… 床下から猫の白骨死体」)の続報。
昨日近所の猫好きの人と世間話をしていたら、この家(今私が住んでいるトコ)の前の住人が猫を飼っていて、その猫が3年ほど前に行方不明になったという事実がわかった。前の住人の方が猫好きだったらしく、猫を1匹飼っていてずいぶん可愛がっていたらしい。ところが3年ほど前から急に姿を見せなくなり、飼い主の方(そしてこの近所の猫好きの人)もあちこちかなり探し回ったのだが、結局見つからなかったというのだ。 3年ほど前というのが、床下の猫の白骨化した状況と見事に一致する。 とすると、あの猫は、この家で飼われていた猫で、その飼い主の住んでいる下で、飼い主から姿を隠して死んだわけだ。死期を覚悟した猫はこっそり床下に入り、あちこちを探し回る飼い主の呼び声を遠くで聞きながら、涙を流して(猫だから実際には涙を流さないけど)心の中で飼い主に別れを告げていたんだろう(猫だから実際には何にも考えてなかっただろうが)。 映画の『砂の器』(1974年、松竹)で、英夫少年(主人公の少年時代)が持ち前の放浪癖のために家を飛び出し、養父の三木巡査(この人がまた心優しい人なんだ)が「ヒデオー、ヒデオー」と叫びながらあちこちを一生懸命探し回るシーンがあるが、それを思い出した。このとき、近所に身を隠していた英夫少年は、巡査の呼び声を近くで聞きながら涙をボロボロ流すのだが、この猫のケースもそれに近い状態だ。 猫の白骨が床下から現れたときは、正直かなりギョッとしたが、なんだか涙ぐましいいい話に落ち着いた。この家の前の住人も1年半ほど前に亡くなり、あの世(というものがあればだが)で猫と再会を喜び、猫が意外な場所で(おそらく)安らかに死んでいたことを知って涙ぐんだかもしれない。前の住人の方と猫の冥福を祈りたい。 投稿日: 火曜日 - 5 月 17, 2005 09:34 午後 |