死んだネコの残したものは…… 床下から猫の白骨死体


(写真と本文は関係ありません。)

引越しの準備やら引越し先の手入れやらで大忙し。
さて、引越し先の床下があまりにひどい状態であることは2月25日に記したとおり。それで、それを修復することにした。といっても自分でやるわけでなく、工務店に依頼したのだ。さすがに工務店、問題の床下も、瓦礫を撤去し、束石をコンクリートで設置し直して、万事うまく片づいた(ああ、出費ばかりで頭が痛い)。で、昨日それが無事に終わったわけだが、その作業中に大工の1人が、「猫のミイラが出てきた」と、外で庭木の植え替えをしていた私に叫んだのだ。猫のミイラ……。すぐにいって見てみると、床下に猫の白骨死体があった。骨だけがキレイに残り、周りの肉などは分解されて黒い埃状の物体になって周りに散乱している。状況を想像してみてほしいのだが、そりゃあギョッとする。
で、しばらくそのままにして、庭木の作業にかかっていたのだが、穴を掘りながら少し落ち着いたところで、これも何かの縁だから埋めてやろうと感じるようになった。それで大工氏にその旨告げると、安心したように「そうかい」と言った。たぶん、彼も片づけるのがイヤだったんだろう。
スコップで2回に分けて庭の隅まで持って行き、庭木と庭木の間に深さ20cmくらいの穴を掘って埋めてやった。その際よく観察したのだが、しっぽが長く小柄な猫で、寝そべった状態でそのまま死んだのではないかと想像できた。おそらく穏やかに死んだのではないか……と(勝手に)結論づけることにする。
私も子どものときに猫を飼っていたので知っているが、よく言われるように猫は飼い主に「死に目」を見せないものだ。引越し先の家の近所にやたら猫を飼っている家があるが、数年前にそこの猫が床下に入って、飼い主の目を避けて最期を迎えたのではないだろうかと想像される。なにやらその猫に意地らしいものさえ感じるではないか。
動物の白骨死体を見たりすると、かわいそうだと感じる人が多いと思う。でも「のたれ死に」は動物の本懐であると私は思う。私自身も「のたれ死に」することに対してはそれほど恐怖感はないのだ。動物たるもの「のたれ死に」こそ真の死に方だ。病院で死ぬというのもずいぶん不自然な気がしている。
「猫の死体が床下にあった家」というと、化け猫とか猫の亡霊とか不気味なものを連想する人もいるだろうと思うが、私はむしろその猫に何かの縁を感じた。荼毘に付して(火葬にはしてないけど。まあそんな気分だ)埋めてやったのだから、良いことをしたとさえ思っているのだ。また、飼い主である私の目を避けて死んでいったであろう、かつての飼い猫のことに思いを馳せたりもした。
まあそういうわけだ。話はこれだけだが、まあ何というか、いろいろある家だ、と改めて感じた次第……。

投稿日: 水曜日 - 3 月 16, 2005 10:04 午後          


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