iBookを修理した話 その1



iBookのブルーベリーとかいう、ちょっと気恥ずかしいパソコンをいただいた。
元々は、パソコンをおぼえたいという知人のIさんに私が勧めてそのIさんが買ったものだが、結局「私にゃ使えん」ということでこちらに回ってきた。当初からこういう気恥ずかしいパソコンは好きではなかったが、当時ノート型のマックで普通に買えるものが他になかった(パワーブックは値段が高かった)ので、これを勧めたんである。
私の妻もこの機種を使っていたが、今にして思えばトラブルの多いパソコンだった。まずACアダプタがよく壊れた。最初のACアダプタは、奇をてらった形をしていてあまり好きになれなかったが、形より何より、コンセントを破壊するというとんでもない問題があった。このトラブルは一般にはあまり聞かなかったが、ともかくウチのコンセントは破壊された。またiBookを使っていた知人のN氏もコンセントが破壊されたと言っていたので、たぶんこれが原因だろう。その後買ったACアダプタも2台おじゃんになった。N氏も同じようなことを言っていたので、電源まわりは何か問題があったんだろう。その後妻のiBookは、保証期間が過ぎた頃から音が出なくなったし、キー・キャップが外れた。保証期間後に壊れるとはなかなかうまくしてあるものだ。フリーズもアップルらしく多発した。図体もやたらでかいし。大体色が下品で気に食わない。エレガンスも何もあったもんじゃない。
ともかく、「私にゃ使えん」パソコンが私の元に来たんである(Iさん、変なパソコン勧めてごめんなさい)。で、スイッチを入れてみるとちゃんと起動するにはしたが、なんとかのファイルがないのでシステムを再インストールしなけりゃならんというメッセージが出た。それじゃあということでシステムをインストールし直してみると、ともかく普通に動くようになった。これを機会に、PowerBook 2400からiBookにデータを移して、PowerBook 2400の代わりにこちらを使おうということで、PowerBook 2400上にあるいろいろなファイルをイーサネット経由でコピーしたわけだ。PowerBook 2400は今となってはいろいろ制約の多いパソコンで、データの移行すら簡単にできないというシロモノである。ネットワーク・カードをPCカード・スロットに差し込んではじめてデータを移せるようになる。しかも手元にあるPCカードは、10Base-Tという遅い転送速度のものだけである。そんなわけで、ゆっくりまったりと昼下がりの時間を費やしてコピーしていた。その間も途中で転送が止まったり、確かに妙な徴候はあったわけだ、今考えると。
で、夕方近くになって、ほとんどのデータがコピーできたかなと思った頃、あの妙な音が鳴り出したのである。そう、電車が快調に走るようなリズミカルな音が。コットン、コットン、コットン、コットン、コットン、コットン……シーン……コットン、コットン、コットン、コットン、コットン、コットン……シーン……。
ハード・ディスクが逝っちゃっている音だ。というわけで半日間かかりっきりだった作業が徒労に終わることになったのだった。
博多弁で言うところの「がっぱし」という状態になってしまったわけだ。
つづく。

投稿日: 日曜日 - 12 月 24, 2006 11:16 午後          


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