NHKについてワシも考えた



NHKでラグビーの試合のテレビ中継が予定されていたにもかかわらず、レフェリーの胸にある「朝日新聞」の広告が気にくわないからいったんは放送しないことを決めたが、視聴者からのクレームで再び放送することになった。まさにドタバタ。
NHKの対応はいろいろな意味で問題がある。
まず、一貫性の問題。相撲や野球で、幟やスタンドに記述されているスポンサー名を平気で放送しているにもかかわらず、しかもユニフォームに付いているスポンサー名は大きく表示しているにもかかわらず(他新聞の名前もあるぞ)、これはあきらかに一貫性を欠いている。
次に、公共性の問題。NHKと敵対しているからといって朝日新聞をピンポイント攻撃するというのであれば、「公共放送」という大義も失われ、受信料支払い拒否を新たに招くだけだ。
最後に、番組の問題。放送局が自分たちの都合で、予定されている番組を簡単にコロコロ変えるようでは、放送番組予定自体が無意味になる。公に資するという放送局の大義名分も絵空事になってしまう。
普通の状況では、いかなNHKといってもこんな対応はあり得ないのだろうが、トラブル続きだからだろうか。あまりにも子供じみている。命令系統みたいなものはきちんと機能していないのだろうか。
ここのところ、NHKはその官僚体質をさらけ出している。人の金を自由に使って私腹を肥やすという点まで官僚並みである。受信料収入に頼っており、しかも受信料の支払いを快く思っていない人が大勢いるという点から考えると、このような不祥事は結局のところ受信者に不払いの口実を与えるに過ぎない。
毎日新聞の「記者の目」で、このような情勢だからこそ受信料を積極的に支払いたいと主張している記者がいたが、話が逆じゃないか。私自身は、有料のCSチャンネルも金を払って見ているので、放送のコンテンツに金を払うことにはまったく抵抗がないし、NHK BSは質の高いドキュメンタリーや映画を放送しているという意味で、受信料が不当に高いとも感じない。しかし、今回のようにメディアの独立性(NHKの存在理由だといわれている)が犯されるような事態が定常化していることに対して、不払いで抵抗するなどの方法は、手段として間違っていないとも思う。「メディアの独立性」が受信料を取ることの根拠になっているのだからして。つまり、自浄作用に期待するということだ。
政府からの横やりが多くなったためかどうかわからないが、ここ20年ほど、NHKの番組の質は低下の一途をたどっている。NHKが一日も早く官僚体質から抜け出ることを望む。まあ無理だろうな。

投稿日: 日曜日 - 2 月 13, 2005 02:15 午後          


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