覆面座談会 その4 サッカー編A=シニカルな後輩
B=シニカルな先輩 A:バーレーンに勝って、いよいよワールドカップが見えてきましたね。
B:ワールドカップって、ブーメランの? A:何言ってんですか、サッカーに決まってるじゃないですか。なんですか、ブーメランって。 B:いやなに、ブーメランのワールドカップがあるって、この間の『タモリ倶楽部』で言ってたからさ。 A:ブーメランの? どういう競技やるんですか? 距離を競うんですか? B:よくわからないけど、日本代表もいるらしいよ。 A:そりゃあワールドカップですからね。日本代表もいるでしょう。まあ、ブーメランなんていうボケは良いですから。見たんでしょ、昨日の試合? 鉄壁守備でバーレーンを零封/W杯予選(日刊スポーツ.com) B:録画してね。まさか夜中に見たんじゃないだろうな。 A:見ましたよ。リアルタイムで見なきゃしようがないでしょ。 B:どう、しようがないのかわからないが、あんな試合見た日にゃ、ストレスで寝られなくなるんじゃないの? A:とりあえず勝ったから良いでしょ。 B:勝ったからってねえ……なんと言うか、こう、すっきりといかないものかとね……いつも思うんだ。代表の試合を見ると。せっかく相手のゴール前までボール持っていってシュート・レンジまで入ってんのに、どうしてパス出すのかねえ。シュート撃てよってテレビに向かってつっこんでるぞ、いつも。 A:確かにあれはイライラします。ワンタッチを多用してけっこう華麗なパス回しでゴールに迫ってるのに、最後のシュートを撃たずに、敵に優しいパスを出してしまうことが多すぎます。まさにエンジェル・パスです。 B:つまりこういうことかな。すごいいい女が服を1枚1枚優雅に脱いでいって、最後にパンツを脱いだらチンボコがあったみたいな。 A:何ですかそりゃ。ひどいたとえだな。それに下品です。このブログにそぐわない。 B:入らなくても良いからとにかくシュート撃ってみろって。 A:日本代表の伝統ですよ、ありゃ。謙譲の美徳ですね。トルシエの頃あたりから少なくなってたけど、ここ1、2年でまた復活しましたね。 B:ジーコのせいって言うの? A:いやいや、ジーコ監督は良いと思いますよ。そうそう、この間、ニュースにジーコが出てまして、場所は空港だったと思うんですが、一般人が移動中のジーコに向かって「頼むから、監督をやめてくれ」って叫んでました。負けが続くと、必ずこういう手合いが出てきますね。単純すぎるって。ワールドカップ出場が決まったときにこういう輩がなんて言うか聞いてみたいもんですが。 B:ジーコは良いかい。そうかい。 A:監督が誰であるかとかじゃなくて、とにかくシュート撃てってことですよ。相手のゴール前でへなちょこパス出したら罰金!とかしたら効果が上がるかも知れない。 B:昨日の試合で誰か目につく選手はいた? A:DFの中澤が最高。安定感抜群です。あとは中田。中盤でボールをキープできるってのは強いです。 B:シュートを決めた小笠原は? A:物足りないですね。 B:そう? A:ゴール前でへなちょこパス連発してました。シチュエーション的にはあと2点入っててもおかしくなかったですね。キーパーをうまくおびき出してるのに、へなちょこパスを出してチャンスをつぶした柳沢には、もうあきれてしまいました。 B:テレビの解説では、良く動いてるって評価してたけどな。 A:全体を通して良くても、致命的なボケをかましたら印象は悪くなります。それに良く動いてるっていっても、テレビで見てる限りではよくわかりませんからね。良い働きしてるってんだったら、ボール持ってる選手の名前を常に教えてほしいものです。今回のワーストはキーパーの川口ですね。ここのところ、ヘマが少なくなったと思っていたんですが、昨日のはいけません。ほとんど仕事がなかったのに、数少ない仕事が2回ともヘマですからね。 B:また出番がなくなるかな? A:でもやっぱり、今回もアジアの審判はレベルが低いと思わざるを得ないシーンが多かったです。ミスジャッジだらけですから。こっちはリプレイで見るから、ミスジャッジだっていうのがよくわかる。ひどすぎます。一番最初の日本のオフサイドのジャッジは話になりませんでした。全然きわどくもなかったし。あれをオフサイドにしたら前線にパス出すことなんかできませんよ。 B:ふーん、そうかい……ところで、サッカーのことになると雄弁だね、Aは。 A:バーレーンも物足りないですね。単調すぎます、サッカーが。おもしろみがありません。あんなサッカーやってたんじゃ、いつまでも強豪国には勝てませんよ。中東のチームはどこもそうです。勢いだけです。韓国もそうです。前のワールドカップでホントに勢いだけで上位に行ってしまったから、サッカーのスタイルが見直されるチャンスもつみ取られました。今がピークで、これからは下降線でしょうね。 B:勢いがあれば良いと思うけどね、俺は。 A:勢いなんてものは水物ですからね。調子が良いときは見てて気持ちがいいものですが、それだけです。少し調子が落ちると無様な負け方しますよ。フランス大会までの韓国の成績見ればそれが一目瞭然ですよ。この間の大会で、サウジなんて0対8でドイツに負けたんですから。あれがすべてを物語っています。 B:日本はどうなの? A:ある程度の方向性が見えてるんで、僕は楽観してます、サッカーについては。 B:北朝鮮戦はどう? 今度は中田も中村も出られないよ。 A:よほどヘマしなきゃ負ける要素はないですね。と言ってもサッカーは水物ですから、ミスが失点につながってそのまま逃げ切られるとかいうことは十分あり得ます。勝つかどうかはなんとも言えませんね。でもワールドカップ出場は間違いないとこだと思います。とにかくアジアの他のチームはレベルが低いですから。 B:ふーん。でも、そんなにレベルが低いんだったら、そもそもワールドカップに出ても予選で全敗っていう可能性もあるだろ、アジアのチームは。もちろん日本もな。 A:そりゃ確かにそうですが、日本チームにはもう少し期待が持てると思ってますよ、僕は。ただ今のままではダメですね。せめてヨーロッパ・レベルになってほしい…… B:脱亜入欧だね。いやいや、欧米至上主義を日頃から批判しているAが、アジアのレベルが低いとかヨーロッパ・レベルがなんだとか言ってるのは、なかなか面白い。でも、外の世界を過剰に評価、というかあこがれない方が良いと思うぞ。外の国に理想郷を設定するのは良くないんじゃなかったの? A:理想郷ってわけじゃないんですけどね。そもそもブラジルみたいになってほしいなんて全然思ってないし。面白いサッカーを表現できて、どのチームとも対等に戦えるようになってほしいってだけで……それに今回はワールドカップに出てほしいとも思ってないんですよ、それほど。 B:へえ……ホントかな? A:フランス大会のときは、ワールドカップに出なけりゃJリーグの存続自体が危ういという状態だったんで特別でしたけど。 B:そうだっけ? それじゃ日韓大会は? A:あれは開催国のメンツでしてね。決勝トーナメントに進めなかったら、史上初の開催国予選リーグ落ちになってワールドカップ史に燦然と輝いてしまいますでな…… B:しまいますでな……て。 A:今回はそういうテーマがないんで、ま、どっちでも良いんですよ、ホントのところ。でも、さっきも言いましたが、今の勢力図だとアジア予選突破は間違いないでしょう。来年の本大会ではあまり醜態をさらさないでほしいものです。アルゼンチンあたりとも五分五分に渡り合ってほしいですね。 B:まだ予選突破も決まってないのに来年の話とはね……それに来年になったら日本の経済が破綻してたりしてね。アルゼンチン対日本、新旧破産国家対決なんて言われたりして。 A:洒落になりませんね。 B:イングランド対アルゼンチンなんて、いまだにフォークランド紛争のことが持ち出されるくらいだ。そんなのよりずっとタイムリーだよ。ソフトバンクVS楽天より面白い。 投稿日: 土曜日 - 6 月 04, 2005 07:08 午後 |