ソフトバンクVS楽天……ってIT戦争じゃないんですから日本のプロ野球は、10年ほど前からテレビでもライブでもまったく見なくなった(以前はこれでも、神宮球場によく足を運んだりもしたのだ……ヤクルト対大洋はなかなかの黄金カードであった)。
野球は、プレイする分にはなかなか楽しいが、そもそも見るスポーツとしてはまったくおもしろくない競技である。日本でプロ野球がこんなに盛んなのは、選手や球団に対する思い入れが見る側にあるためである。強烈な思い入れなしでは、見る野球は楽しめない。したがって、日本で1球団だけが異常に人気があるというのも、ある意味うなずける。個人的にはばかばかしいと思うが。 プロ野球の改革は、Jリーグが発足し(人気を博し)たあたりから声高に叫ばれていた(本当はそれ以前からなんだろうが)。要するに、地域密着型にして、真のファンを確保できるようにするべきだというもので、いびつな中央集権型の構造を変えようということだ。それ以来、何度か変革のチャンスはあったが、その都度、旧体制の保守派から握りつぶされてしまって、いまだにどれ一つとして実施されていない。というより、以前より後退している。ドラフトの逆指名制度なんてのは笑ってしまう。なんのためのドラフトなのかわからんじゃないか、あれじゃあ。もうちょっと洗練された方法を考えつかないものかねえ。 一時期、地域密着のために球団名に企業名を使わないようにしようという機運が高まったことがあった。現に横浜球団は実現したし、福岡球団や札幌球団も、企業名は入ってはいるが、まあ都市名を入れるところまでは行った。で、こういう流れも結局、球界を牛耳っていた保守派の人々が阻止したというわけだ。山は動かず。 プロ野球はほとんど見ていないが、たまに朝のニュースなどを見ると、スポーツコーナーで「ソフトバンク対楽天」などというフレーズが出てくる。すわIT戦争かと勘違いする人がいるかも知れない(いないか)。私は最初に聞いたとき少し笑ってしまった。企業名で球団を呼ぶとこれほど滑稽になるよという格好の見本だ。 新球団が生まれたので耳新しさは当然あるが、Jリーグの場合は、J2のチームがJ1にあがっても、あるいはザスパ草津のように新しくJ2に入っても、企業名でよばれるわけじゃないので、そんなに違和感はない。「ああ新しいチームか」くらいのものだ。 プロ野球も人気が低迷しているのだから、そろそろ保守派を一掃して少しでも理想に近づいた方が良いんじゃないかと思う。私個人としては、社会の不正義を体現しているような、今みたいなプロ野球リーグならば、なくなっても一向にかまわんと思うが。 追記 20年以上前に出た本だが、赤瀬川隼著の『球は転々宇宙間』という本で、日本のプロ野球リーグの理想型が描かれている。 最近では日本プロ野球機構以外にも独立リーグができたりしてなかなか頼もしい限り。『球は転々宇宙間』の世界が実現する日は近いかも……とひそかに期待している。 投稿日: 日曜日 - 4 月 24, 2005 09:55 午後 |