思しきこと言はぬは、げにぞ腹ふくるる心ちしける(大宅世継)

批評、随筆、芸術のアーカイブ・サイト……竹林軒

カメラの温故知新

そんなわけでデジカメ志向になっていたのだが、先日、銀塩カメラの一眼レフ(ニコンU)が手に入り、いまさら銀塩もないでしょと思いつつ、とりあえず使ってみたのだ……

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うちのウェーブレディオにゃ波がある

低音量でも音が良く聞こえるプレイヤーだという噂があったから買った(確かに低音量でも良く聞こえる)。ビックリするほど良い音だとは思わないが、まあ良い方かなとは思う……

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アップルや昔のアップルならぬ

いつも仕事やネットの作業はアップルのiBook(Dual USB)を使って行っているが、キーボードがいよいよ悲惨な状態になってきた……

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スプーン半分くらいの幸福

で、今日ですね、宅配便の届け物があったんです。私はてっきりアマゾンに注文していた石川セリのCDかと思っていたんですが、宅配便のおじさんが「懸賞でも当たったんですか? 「少年○○」(漫画雑誌の名前)って書いてますよ」と言うんですな……

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iBookを修理した話

いつも仕事やネットの作業はアップルのiBook(Dual USB)を使って行っているが、キーボードがいよいよ悲惨な状態になってきた……

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2005年10月19日、記

カメラの温故知新


 パナソニックの新しいデジカメ(LUMIX FZ30)がほしいなどと思っているのだが、買う余裕もなく、当分は買い控えになるだろう。実はFZ10の頃から、ほしいなーと思いながら買い控え状態だったのだが、その後FZ20を経て、ついにFZ30まで実質上のバージョンアップを果たした。買い控えにも程がある。そして、当初の手ブレ補正機能、12倍ズーム(35mm〜420mm!)に加え、FZ30では、600mmなどという大望遠撮影も可能になったのだ(ちょっといかさま的な発想で実現するのだが)。そもそもこのパナソニックのLUMIXシリーズは、無駄な機能をすっぱり落とすという潔さが良く、そのあたりが気に入っている要因である。使わない機能をめいっぱい詰め込んでも邪魔なだけだかんね。マイクロソフトのソフトウェアが格好の例だ。だから、別に一眼レフデジカメにもこだわらない。レンズ交換みたいな面倒なことはしなくても良いのが一番!というのが私のシロート考えである。もっとも、FZ30は私自身まだ持ってないので、これを読んでLUMIXを買って後悔しても責任は負わないよ。
 まあ、そんなわけでデジカメ志向になっていたのだが、先日、銀塩カメラの一眼レフ(ニコンU)が手に入り、いまさら銀塩もないでしょと思いつつ、とりあえず使ってみたのだ。ホントは、これを売って、その金でデジカメを買ってやろうなどと不埒なことを考えていたのだが、ウェブでいろいろ調べてみると、本体だけだと5,000円程度でしか買い取ってもらえないということが分かり、あまりの安さに売る気力もなくなってしまった。やはり世の中、デジカメ志向なのですな。私は、すでに銀塩一眼レフはペンタックスを1台持っており、それ以前もミノルタのヤツをずいぶん長いこと使っていた。いまさら銀塩一眼レフはいらないのだが、70mm〜300mmの望遠ズームが付いていたこともあって、子供の運動会で使ってみようかと思ったわけだ。
 で、実際使ってみて、何というのかな、シャッターを押すときの感覚がとてもイイ。シャッターを押した瞬間、バシャッと鳴って、ファインダーが黒くなるあの瞬間。とても心地良い。これはデジカメでは味わえない。デジカメだとどうしても電子音が鳴ったりして、恐ろしく物足りない(高級デジカメはどうだか知りません)。モノを使う上で、このような使用感は非常に大事だと思う(実は先ほど言ったペンタックスは現在あまり使っていないが、使用感がもう一つだった)。これだけの高級な使用感がありながら5,000円はないだろと、強く感じた。5,000円という値段にも反発を覚えたね。これは正当な価格なのか!ってわけだ。
 しかも、ある写真屋さんにフィルムを持ち込んだら、現像焼き付けのときに無料でCD-Rに焼き付けるというサービスをやっていた。つまり、銀塩カメラで撮った写真もデジタル・データになるということさ。だったら、デジカメじゃなくてもまったく構わない。結果的には(おおむね)同じことだ。
 写真も良い感じで仕上がっていたし、まったく言うことない。そんなわけで今はまったく売る気なし。意外に狙い目かもよ、銀塩一眼レフカメラ。特に中古だと安いみたいだよ(このニコンUの難点を言えば、見た目が安っぽいことかな。もう少し高級感がほしいところ)。


追記1:ニコンUは、今、他人に貸しているが、その人も運動会で使ってみていたく感心したらしく、現在中古市場を探しているそうな。その人もつい先日までデジカメ志向だったのだ。
追記2:今日、某カメラ店に行って、ペンタックスのカメラで使っていた28mm〜200mmのタムロンのズームレンズをニコンマウントにマウント交換できないか訊いてみたが、オートフォーカスのレンズはそれぞれメーカーごとに違う回路が組み込まれているらしく、一般的にマウント交換は難しいとの返答があった。その後メーカーにも問い合わせてもらったのだが、結局「不可」であることがわかった。このレンズは今でも人気があるらしく、これがニコンUで使えたらいいなと思っていたのだが、残念! ペンタックスとこのズームレンズはセットで売ることになりそうだ。

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2005年3月20日、記

うちのウェーブレディオにゃ波がある


 あのBose社からウェーブレディオというCDプレイヤー(本来はラジオで、CDプレイヤーはおまけらしい)が出ている。数年前に買って仕事の時に音楽を鳴らすのに使っている。音質は良いというもっぱらの評判だ。私はいつも小さい音しか鳴らさないので、音の善し悪しはそれほど気にならない。ただ低音量でも音が良く聞こえるプレイヤーだという噂があったから買った(確かに低音量でも良く聞こえる)。ビックリするほど良い音だとは思わないが、まあ良い方かなとは思う。
 CDをのせる(アナログプレイヤーでいうところの)ターンテーブルってんですか、あそこのふたを手であけて、CDをセットしてふたを閉じると自動的にCDが再生されるという構造で、なかなか気が利いている。それから部屋の明るさが暗くなると、LEDの表示が暗くなる(輝度が落ちる)というのもなかなか面白い。
 しかーし。うちのウェーブレディオには、大きな欠陥があった。つまり、CDをマウントしないことが多いということだ。どういうことかっていうと、CDをのせるでしょ、ターンテーブルに。それからふたを閉じると(本来は音楽がすぐに再生されるはずなのだが)シュルシュルシュルと音がして、音楽が再生されない状態が未来永劫に続くというわけ。しょうがないから停止ボタンを押して、2、3秒してからもう一度再生ボタンを押す。それでも3回に1回は再生されない。運が良ければ、最初の一発で再生されるけど。
 確かに音が良く気が利いているが、CDが簡単にマウントされないとはね。CDがマウントされないくらいなら、「CDをセットしてふたを閉じると自動的にCDが再生」されない方が便利なんだがな。
 この症状は買ったときからずっと続いているが、もしかしたら初期不良かとも感じていた。初期不良ならばすぐにでも修理に出さなければ。まだ保証期間内であることだし。で、先日カタログハウス(私がこれを買ったところ)のショールームで、こういう症状が出るかどうか試してみた。そしたら案の定、シュルシュルだった。マイクロソフト風に言うならば、「故障ではなく仕様」だったのだ。このような症状(というか仕様)はこれまで日本製のCDプレイヤーでは一度も経験したことがない。なかなか新鮮っちゃあ新鮮だが。CDというデジタルメディアでありながら、このアナログ感覚はなんとも大陸的である。さすが大国アメリカ!

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2005年5月18日、記

アップルや昔のアップルならぬ


 いつも仕事やネットの作業はアップルのiBook(Dual USB)を使って行っているが、キーボードがいよいよ悲惨な状態になってきた。
 Optionキーが外れ、Cmdキーの動作がおかしくなった。OptionキーとCmdキーといえば、マックを使っている人ならわかるだろうが、キーボード操作の上で不可欠で、仕事していてもかなり不自由を感じている。
 アップル製品に限らないが、ノートパソコンの部品は大体が高価で、修理に結構金がかかったりする。「そんなにかかるのなら新しいのを買い換えるか」ってな感じで買い換えに走る人が多くなる原因にもなっている。
 このiBookはすでに買ってから3年経っており減価償却も終わっているが、MacOS 9が動作するマックはすでに販売されていないし、まだMacOS 9は捨てられないし、それに手元に金もないしで、買い換えなんちゅうオプションは今回は当初から存在しなかった。存在するオプションは、1)キーボードを替える、2)そのまま我慢して使う、の2つだ。
 アップルに修理に出したら金がかかりそうな気がしたので、中古部品やサードパーティ製品を探すことにした。で、ネットで調べていると、iBook用のJISキーボードがなかなか出てこない。交換用のUS(英語)キーボードは結構出回っているいるようだが、頻繁に全角文字・半角文字を切り替える必要がある私としては、JISキーボードは絶対に譲れないところだ。それにここに出てくるUSキーボードはほとんどが2万円前後で売られている。私がなんとなく考えている、アップルノートパソコンのキーボードの相場は1万5千円である。これまで集めたさまざまな情報から身につけた相場感なのでそこそこ自信がある。JISでない上に5千円も高いのは絶対に容認できないところだ。だいたいiBook自体が12万円程度なのに、キーボードの値段が2万円もするってのが納得できない。
 とは言え、キーが壊れたキーボードというのも使い勝手が悪くてしようがない。急ぎの仕事をやっているというのにかなり能率が落ちている。ネットをいろいろ調べてみると、今はアップルに修理を頼む方が安いという情報があった。ならばここはひとつ、アップルのサポートに電話して訊いてみるか、昔と違って対応もずいぶん良くなっていることだし。
 ということで、アップルに電話してみた。2万円以上かかるんだったらちょっと考えるが、それ以下だったら忍びがたきを忍んで有り金をはたこうと覚悟を決めた上でのことだ。電話はすぐにはつながらなかったが、それでも丁寧な応対で処理され、結局キーボードの代金は6千5百円ということになった。6千5百円という価格は、思った以上に安く、iBookの部品の値段としても至極妥当な感じがする(交換作業はこっちでやることになるが、もともとそのつもりでいたし、大して難しくない)ので、即発注した。
 正当なルートの修理が、ネットで一般的に流通している部品の値段よりも安くあがるというのはとても良いことだ。
 前にCubeが大破したとき、パーツショップに頼んでロジックボードを交換してもらったが、そのとき6万円近くかかった。同じ頃にCubeのロジックボードを交換したという話が某掲示板で報告されていたが、その人はアップルに修理を依頼してロジックボードを交換してもらい、5万円以下で済んだと書いていた。私が利用したパーツショップの料金が法外だったとも思わない。その時点での相場では、Cubeのロジックボードは5万円程度だった。作業手数料を含め6万円というのは妥当な値段だと思う(私にとっては大打撃だったが)。おそらく、アップル社内で、旧製品の部品の値段が、時とともに下がっているということなのだろう。パソコンの場合、旧製品の価値は時間が経つにつれてどんどん下がるので、その部品の価値もそれに合わせて下がるというのはきわめて当たり前で、この当たり前のことがアップルで実践されるようになったということなのだろう。
 対応についても当たり前のことが実践されだしたようだ。
 以前のアップルのサポートの対応のひどさといったらなかった。System 7の日本語版(漢字Talk 7だったっけ)が出たとき、旧ユーザーは、電話でサポートに連絡し購入申込書を送ってもらわなければならなかった(このシステムもどうかしているが)。これがアップルの指定する方法だったのでその通りにしたが、サポートの対応はひどくぞんざいだった上(何がそんなに不満なんだと訊きたくなったよ、私は)、案の定、申込書はいつまで待っても送られてこなかったのだ。一事が万事こんな感じだったんだ、アップルのサポートは。
 5年ほど前に、妻のiBookが保証期間中であるにもかかわらず動作しなくなったので、サポートに電話したとき、その対応の良さ(と言っても、一般世間の常識から考えると当たり前の対応なのだが)に驚いたことがある。ぞんざいな対応だったら、怒鳴り散らしてやろうと思っていたんだ、ホントのところを言うと。それから付け加えておくと、故障したパソコンも都合4日ほどで修理されて戻ってきた(もちろん無料)。あの頃からアップルは変わっていたんだな。
 まあ、何にしても、妥当な値段で修理ができればそれに越したことはない。壊れたから買い換えるという異常な生活様式を是正する助けにもなるしね。ともかくキーボードが届くのを待とう。


 で、なんと翌日届いた。早速交換した。交換に要した時間、30分。
 キータッチが全然違って、抜群に使いやすくなった。前のは、もちろん一部のキーが壊れていたからというのもあるが、それよりも、タイプした感触が全然違う。新しいのは、ポンポン弾む感じっていうのかな……ともかく、心地良い。古いヤツはキー全体がかなりへたれていたのだろう。今までは全然気付かなかったが。おかげで仕事の能率もずいぶん上がった(ような気がする)。
 「畳とキーボードは新しいほど良い」とはよく言ったものだ(だれも言ってないか……)。

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2005年9月10日、記

スプーン半分くらいの幸福


 iPod nanoなんてえものがアップルから発表されましたな。
 前に出たiPod shuffleは、メモリ式でしかもおっそろしく小さい上軽いので、確かに良いのですがね、やはり液晶画面がないというのがどうしても引っかかる。曲を検索するのが大変ですからね。そもそもiPod shuffleのコンセプトが「垂れ流し」なんで、液晶なんかいらないということなんでしょうが、そこがちょっとね……。で、こんなのいらねえやと思っていたんだ。まあ余裕もないし。
 でもnanoはなかなか良さそうです。iPod miniの後継らしいですが、iPod miniが発表されたときなんじゃこりゃと思っていたので(すべてがあまりに中途半端なもんで)、iPod miniが消えるというのも合点がいきます。(nanoは)小さくて軽くて、しかも液晶がある! たぶん買わないけど。ちなみに私、第二世代のiPodのユーザーでして(ここまでが前振り)。
 で、今日ですね、宅配便の届け物があったんです。私はてっきりアマゾンに注文していた石川セリのCDかと思っていたんですが、宅配便のおじさんが「懸賞でも当たったんですか? 「少年○○」(漫画雑誌の名前)って書いてますよ」と言うんですな。「立場上、そんなこと言わない方が良いんじゃないの」などと思いながら、伝票を見るとたしかに「少年○○編集部」と書いてある。そんで「品名」の欄に、「iPod」と書いているじゃありませんか。そうです。懸賞でiPodが当たったのです。と言っても私が応募したわけではありません。古くからの友人が、私の名をかたってあちこちの懸賞に応募しているのです。もちろん彼は自分の名前でも出していますが、いわゆる「懸賞マニア」ってんですか。身内の名前を使ってあちこちの懸賞に応募するのが趣味なんですな。以前会ったときに「今度iPod miniを当てるから」と言っていたので(私は即「いらん」と言いましたが)、もしや(生産中止になった)miniか!とヒヤヒヤしながら中身をあけてみると、shuffleだったんですね、これが。そういうわけで、ささやかな幸せを味わうことになりました。nanoだったらもっと良かったけど、shuffleでもええわいな、小さいし……ってんで、すっかり転向してしまいました。シャッフルシャッフル!
 この懸賞ですが、これまでいろいろなものが届きました。名古屋コーチンのみそ漬けなんていうのもありました(大変おいしゅうございました)。でもゴミみたいなものもわりに多く、処分にこまってしまうこともあります。で、その友人に「モノはなるべく応募しないでくれ」と言っていたところなのです。この間は、ニンテンドーDSなどというゲーム機が送られてきましたが、ゲームから足を洗っている私は、中古ゲーム屋で売っぱらいました。売れるものならまだ良いんですがね、粗大ゴミが当たった日にゃあ、処分するのに金がかかるので、良いことばかりではありません。
 「幸せ独り占め」みたいに思われるのは本位じゃないのでちょっと言っておきますが、ここのところ、かなり大きめの不幸に襲われて、気分がどんよりしていたのです。ちょっとその辺の事情は今ここで明かす気になりません。赤裸々になれない自分が情けない気もしますが。で、シャッフルみたいなモノでも、なんだか気分が少しだけ晴れて、ほんの少し幸福感に浸れたというわけです。
 ほんの少しの幸福感と言えば、昨日9月9日に銀行に行き例によって順番待ちの札を引いたんですが、それが「009」番で、「9.9 009」と「9」が3つ並んでいたという、小さな幸せもありました。でも30分近くも待たされて、小さな幸せは一転して「なにやっとんじゃボケ」に変わりました。

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2005年12月24日、記

iBookを修理した話 その1


 iBookのブルーベリーとかいう、ちょっと気恥ずかしいパソコンをいただいた。
 元々は、パソコンをおぼえたいという知人のIさんに私が勧めてそのIさんが買ったものだが、結局「私にゃ使えん」ということでこちらに回ってきた。当初からこういう気恥ずかしいパソコンは好きではなかったが、当時ノート型のマックで普通に買えるものが他になかった(パワーブックは値段が高かった)ので、これを勧めたんである。
 私の妻もこの機種を使っていたが、今にして思えばトラブルの多いパソコンだった。まずACアダプタがよく壊れた。最初のACアダプタは、奇をてらった形をしていてあまり好きになれなかったが、形より何より、コンセントを破壊するというとんでもない問題があった。このトラブルは一般にはあまり聞かなかったが、ともかくウチのコンセントは破壊された。またiBookを使っていた知人のN氏もコンセントが破壊されたと言っていたので、たぶんこれが原因だろう。その後買ったACアダプタも2台おじゃんになった。N氏も同じようなことを言っていたので、電源まわりは何か問題があったんだろう。その後妻のiBookは、保証期間が過ぎた頃から音が出なくなったし、キー・キャップが外れた。保証期間後に壊れるとはなかなかうまくしてあるものだ。フリーズもアップルらしく多発した。図体もやたらでかいし。大体色が下品で気に食わない。エレガンスも何もあったもんじゃない。
 ともかく、「私にゃ使えん」パソコンが私の元に来たんである(Iさん、変なパソコン勧めてごめんなさい)。で、スイッチを入れてみるとちゃんと起動するにはしたが、なんとかのファイルがないのでシステムを再インストールしなけりゃならんというメッセージが出た。それじゃあということでシステムをインストールし直してみると、ともかく普通に動くようになった。これを機会に、PowerBook 2400からiBookにデータを移して、PowerBook 2400の代わりにこちらを使おうということで、PowerBook 2400上にあるいろいろなファイルをイーサネット経由でコピーしたわけだ。PowerBook 2400は今となってはいろいろ制約の多いパソコンで、データの移行すら簡単にできないというシロモノである。ネットワーク・カードをPCカード・スロットに差し込んではじめてデータを移せるようになる。しかも手元にあるPCカードは、10Base-Tという遅い転送速度のものだけである。そんなわけで、ゆっくりまったりと昼下がりの時間を費やしてコピーしていた。その間も途中で転送が止まったり、確かに妙な徴候はあったわけだ、今考えると。
 で、夕方近くになって、ほとんどのデータがコピーできたかなと思った頃、あの妙な音が鳴り出したのである。そう、電車が快調に走るようなリズミカルな音が。コットン、コットン、コットン、コットン、コットン、コットン……シーン……コットン、コットン、コットン、コットン、コットン、コットン……シーン……。
 ハード・ディスクが逝っちゃっている音だ。というわけで半日間かかりっきりだった作業が徒労に終わることになったのだった。
 博多弁で言うところの「がっぱし」という状態になってしまったわけだ。
つづく。

2005年12月25日、記

iBookを修理した話 その2


 ハード・ディスクが壊れていることがわかったので、ひとつ自力で交換してみるかということで、ネットで2.5インチのハード・ディスクを探す。
 東芝製の30GBのバルクが5千円ちょっとで売られていたのでこれを買うことに。しかしまあ、2.5インチの30GBのハード・ディスクがたったの5千円というのも、昔(と言っても10〜15年前)のことを考えると隔世の感があるよなあ。
 ハード・ディスクは注文してから4日後に届いた。
 いよいよ、ハード・ディスク交換である。iBookの場合、ハード・ディスクを交換しようとすると、はらわたをほとんど取り出さなければならないという話なのであまり気乗りはしないが、ハード・ディスクを交換しなけりゃiBook自体がゴミになるんだからね。ゴミにするよりは良かろう。
 でも前にiBook (DualUSB)(白くて四角いヤツです)のハード・ディスクを交換したときは大変だった。二度とやりたくないと思ったものだが、またやる羽目になるとはね(機種は若干違うが)。こういうことを考えながらオペに取りかかったのであった。
 ASCIIから出ている『Macintosh改造道2001』という古いムック本が参考書である。この本ではネジの位置まで写真付きで細かく書かれている。マックを解体するときの必需品である。ともかくこの本を参考にしながら、iBookを解体した。
 ネジは全部で約30個出てきた。これは大きく3種類に分けられる(つまり3種類のドライバーが必要)。内部は非常に複雑な構造になっていた。だが、基本はロジック・ボードにスピーカー、キーボード、モニターが付いているだけで、ある意味実に単純である。そうそう、ハード・ディスク替えるのにディスプレイまで外さなければらなかったんですよお、皆さん。信じられます?(もっと簡単な構造にしとけよ>アップル!)
 結局解体するのに1時間半近くかかって、交換、再生に1時間、計2時間半かかることになった。
 組み上げてからシステムをインストールしたところ、無事に動作を始めた。システム関連のファイルも無事にコピーできた。で、ここでよくよく考えてみたんだが、何もPowerBook 2400からコピーしなくても、100Base-T端子が付いている他のマックからデータをコピーすれば良かったんだということにあらためて気付いた。そんなわけで、今度は四角いiBook (DualUSB)からコピーしました。さすがに前よりずっと速かった。人間というのは、こうして失敗を積み重ねて、新しい教訓を得るものなんだね、ウンウン……などと考えながら無事にiBookは復活することになったのだった。メデタシメデタシ。

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