思しきこと言はぬは、げにぞ腹ふくるる心ちしける(大宅世継)

批評、随筆、芸術のアーカイブ・サイト……竹林軒

訪問販売について、怒りにまかせて書いた

必要なものがあったら、店に行くなり通信販売を利用するなりするだろう、普通の人は。訪問販売なんて利用するメリットは、今となってはまったくない……

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決闘罪

今どき1対1の決闘、しかも素手でことを決するとは、なかなか「オトコやねー」ってな感じなんだが、決闘罪で逮捕されたんだと……

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NHKについてワシも考えた

NHKでラグビーの試合のテレビ中継が予定されていたにもかかわらず、レフェリーの胸にある「朝日新聞」の広告が気にくわないからいったんは放送しないことを決めたが、視聴者からのクレームで再び放送することになった。まさにドタバタ……

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変異型ヤコブ病の疑問

2005年2月4日、「厚生労働省が国内初の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を確認した」というニュースが流れ、新聞でもトップ扱いになるなど、なかなかに大きなセンセーションを巻き起こした……

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ラプソディ・イン・ブルー(青の狂詩曲)

日本人のスポーツ観について 「日本人は、アメリカ人やドイツ人のようにスポーツ自体が好きなのではなくお祭りが好きなのだ」と語っていた……

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2005年6月30日、記

訪問販売について、怒りにまかせて書いた


 ついに摘発されたか、悪徳訪問販売会社!
「リフォーム会社元社員ら4人を逮捕」(日刊スポーツ.comより:リンク切れ)
 もっともっと盛大に摘発してくれ。
 この会社が犯罪的なのは言うまでもないが、実際のところ、ほとんど(おそらくすべて)の訪問販売は犯罪的なのだ。
 必要なものがあったら、店に行くなり通信販売を利用するなりするだろう、普通の人は。訪問販売なんて利用するメリットは、今となってはまったくない。


 田舎に越したので、以前ほど訪問販売が来なくなったと喜んでいたところ、今日、ものすごく不快なのが来た。
 どう見ても営業マンという出で立ちではなく、態度も偉そうで、マシンのようにテメエの要件をまくし立てていた。長引きそうだったので、「結構です」といってドアを閉めたのだが、その後もそのまままくし立てていた。かなり危ないヤツだ。おかげでその後も不快感が持続して、数時間仕事に手が着けられなくなった。まさに犯罪的! オレの数時間を返せと言いたい。


訪問販売についての疑問:
訪問販売できちんとしたものが販売されることは果たしてあるのか。
訪問販売を利用して良かったという人が果たしてどの程度いるのか。
訪問販売で迷惑を被ったと感じる人はどの程度いるのか。


 この疑問を日本訪問販売協会というところに投げかけてみたいものだ(こういう団体が実在するようです>日本訪問販売協会)。
 ちなみに、この日本訪問販売協会のホーム・ページを見ると、
 「 訪問販売は、家や職場にいながらにして、商品の説明を受けたり購入することができるため、その利便性も注目されています。」(「日本訪問販売協会公式Webサイト」より)
 と書かれている。時代錯誤も甚だしい。いったい誰が「注目」していると言うのか。訪問販売撲滅協会なんてのはないのかしらん。それから訪問販売禁止法もぜひほしいところだ。「訪問販売」と言えば聞こえは良いが実態は「押し売り」以外の何者でもない。あー、思い出すだけで不快だ。「夢を売る商売」というのがあるが、訪問販売はさしずめ「不快感を売る商売」というところだ。

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2005年6月26日、記

決闘罪


今どき1対1の決闘、しかも素手でことを決するとは、なかなか「オトコやねー」ってな感じなんだが、決闘罪で逮捕されたんだと。
「K−1まねて決闘の少年らを逮捕」(日刊スポーツ.comより:リンク切れ)
 もちろん報道だけでは真実はわからないが、
高校生数人がグループ間でもめた → 日時を決めて対決することにした → K-1風のルールを決めた → レフェリーを設定した → 「ケガをしても死んでもやむを得ない」と合意した → それぞれ闘って、数人が3日から2週間のケガをした
ということだろう、つまりは。
 だがこれだけならば、「今どきリッパ」と言うしかないと思うんだがどうだろう。かれらは逮捕されるような大罪を犯したんだろうか。どうしても取り締まる側のメンツを保つ必要があるのなら、補導して説教する程度で十分だと思うが。
 それに1対1で素人が素手でやりあっても、相手を死なせたり大ケガさせたりということはなかなかできないんじゃないかと思う。「2週間のケガ」っていっても、せいぜい打撲ってとこだろう。
 決闘罪なぞという罪があることはよく知らなかったので、六法全書でちょっと調べてみた(六法全書見たのは初めて)。明治22年に制定された「決闘罪ニ関スル件」がこれに該当する罪で、決闘をすると二年以上五年以下の懲役に課せられるんだそうだ。この法律が今どの程度運用されているか知らないが、こんな法律が必要なのかどうかかなり疑問だ。もしいずれかがケガをしたり死んだりした場合は、傷害罪や致死罪(または殺人罪)を適用すれば間に合いそうだが。どんな形であれ、決闘という行為は法律で禁止されるようなことではないんじゃないだろうか。
 日本には酒税法という前近代的な法律がいまだに存続しているので、決闘罪も同様にカビがはえた法律になっているのかも知れない。そう言えば、旧土人保護法(アイヌの人権を抑圧する法律)なんていう差別法もつい10年ほど前まで存続していた。決闘罪で逮捕される人が毎年どのくらいいるか知りたいところだ。ちなみに「決闘罪ニ関スル件」の次に記述されている法律は「未成年者喫煙禁止法」だが、こちらもどれだけ適用されているのかよくわからない。
 ともかく、こういうわけのわからない法律を持ち出して子どもたちを惑わすのはやめてほしいものだ。大人が青少年に何を求めているのかきっちり示すのが大人の責任だろう。

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2005年2月13日、記

NHKについてワシも考えた


「朝日を隠せ NHKドタバタ生ラグビー」(日刊スポーツ.comより:リンク切れ)
 NHKでラグビーの試合のテレビ中継が予定されていたにもかかわらず、レフェリーの胸にある「朝日新聞」の広告が気にくわないからいったんは放送しないことを決めたが、視聴者からのクレームで再び放送することになった。まさにドタバタ。
 NHKの対応はいろいろな意味で問題がある。
 まず、一貫性の問題。相撲や野球で、幟やスタンドに記述されているスポンサー名を平気で放送しているにもかかわらず、しかもユニフォームに付いているスポンサー名は大きく表示しているにもかかわらず(他新聞の名前もあるぞ)、これはあきらかに一貫性を欠いている。
 次に、公共性の問題。NHKと敵対しているからといって朝日新聞をピンポイント攻撃するというのであれば、「公共放送」という大義も失われ、受信料支払い拒否を新たに招くだけだ。
 最後に、番組の問題。放送局が自分たちの都合で、予定されている番組を簡単にコロコロ変えるようでは、放送番組予定自体が無意味になる。公に資するという放送局の大義名分も絵空事になってしまう。
 普通の状況では、いかなNHKといってもこんな対応はあり得ないのだろうが、トラブル続きだからだろうか。あまりにも子供じみている。命令系統みたいなものはきちんと機能していないのだろうか。
 ここのところ、NHKはその官僚体質をさらけ出している。人の金を自由に使って私腹を肥やすという点まで官僚並みである。受信料収入に頼っており、しかも受信料の支払いを快く思っていない人が大勢いるという点から考えると、このような不祥事は結局のところ受信者に不払いの口実を与えるに過ぎない。
 毎日新聞の「記者の目」で、このような情勢だからこそ受信料を積極的に支払いたいと主張している記者がいたが、話が逆じゃないか。私自身は、有料のCSチャンネルも金を払って見ているので、放送のコンテンツに金を払うことにはまったく抵抗がないし、NHK BSは質の高いドキュメンタリーや映画を放送しているという意味で、受信料が不当に高いとも感じない。しかし、今回のようにメディアの独立性(NHKの存在理由だといわれている)が犯されるような事態が定常化していることに対して、不払いで抵抗するなどの方法は、手段として間違っていないとも思う。「メディアの独立性」が受信料を取ることの根拠になっているのだからして。つまり、自浄作用に期待するということだ。
 政府からの横やりが多くなったためかどうかわからないが、ここ20年ほど、NHKの番組の質は低下の一途をたどっている。NHKが一日も早く官僚体質から抜け出ることを望む。まあ無理だろうな。

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2005年2月8日、記

変異型ヤコブ病の疑問


「英国で感染か、国内初の変異型ヤコブ病を確認 厚労省」(asahi.com:リンク切れ)
 2005年2月4日、「厚生労働省が国内初の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病を確認した」というニュースが流れ、新聞でもトップ扱いになるなど、なかなかに大きなセンセーションを巻き起こした。厚労省は「通常の生活で人から人へは感染せず、二次感染を心配する必要はない」などと、相変わらず役人らしい対応をして笑わせてくれる。
 だが、上記のasahi.comの記事から判断すると、症状はアルツハイマー病とまったく変わらない。どうやら患者の英国滞在経験がクロイツフェルト・ヤコブ病であるとの判断の根拠になったのではないかと推測できる。
 別項で紹介している『ハンバーガーに殺される 食肉処理事情とアルツハイマー病の大流行』によると、クロイツフェルト・ヤコブ病とアルツハイマー病のどちらであるかは、問診によって判断されるということだった。「現在ではクロイツフェルト・ヤコブ病とBSEとアルツハイマー病は区別されているが、本当のところはどれもプリオン介在性の同じ伝染病である」というのが、この本の趣旨である。てことは(つまりこの本の記述が正しいということを前提にすれば)、今回見つかったクロイツフェルト・ヤコブ病の患者は若年性アルツハイマーとも言えるということだ。逆にアルツハイマー病の患者は、クロイツフェルト・ヤコブ病またはBSEの患者ということもできるわけだが。
 「クロイツフェルト・ヤコブ病=BSE=アルツハイマー病」という構図は、明快な上、説得力がある。クロイツフェルト・ヤコブ病が日本に上陸したなどと怪しい発表に取り乱すよりも、その原因を特定(または推定)し、対策をとることが重要ではないか。その対策というのが、つまり厳正な食肉管理である。
 現在、日本の牛肉生産者に対しては、(BSEを介在するとされる)肉骨粉が禁止されているが、豚肉や鶏肉の生産者については禁止されていない。豚や鶏は寿命が短いので、BSEが発症することはほとんどない(食用豚および鶏の寿命は10年未満、BSEの潜伏期間は10年から30年と言われている)。今のところ、反芻類(牛、山羊、羊)以外はBSEが移ることはないとされているが、人間に移ることを考えあわせると当然豚や鶏にも移ることが考えられる。すでに遅きに失している感もあるが、今からでも野放図な食肉生産を禁止し、厳正な食肉管理を行政主導で行うことが望まれる。米国の未検査牛肉の輸入再開なんてのはもってのほかである。吉野家で行列作ってる場合じゃないよ。

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2005年2月9日、記

ラプソディ・イン・ブルー(青の狂詩曲)


 また、日本人のお祭り騒ぎが始まった。
 かつてナイキの極東担当者がインタビューで、日本人のスポーツ観について
「日本人は、アメリカ人やドイツ人のようにスポーツ自体が好きなのではなくお祭りが好きなのだ」と語っていた。
 そのときは「フン」と思っただけだが、その後、納得させられるシーンをいろいろと経験している。例の2002年の日韓ワールドカップもそうだし、阪神タイガースの優勝もそうだし(お祭りの要素に欠けるチームの場合は、優勝してもあまり盛り上がらない)。だからスポーツ中継でも、戦術や戦略が語られることは少なく、盛り上がりが重んじられるようだ。番組に登場する「解説者」たちを見ると良い。
 昨日テレビ朝日で放送された「ワールドカップサッカーアジア地区最終予選」では、セルジオ越後と松木安太郎が解説者だった(松木安太郎はゲスト扱いかも。私はNHKで見たのでよくわかりませんが)。かれらが放送で戦術分析することはほとんどない(できないのかも……)。ほとんどは応援だ。それも熱狂的な! テレビ朝日は、むしろ意図的にそういう放送を狙っているフシがあるので、それはそれで良いのだが、ちょっとうるさすぎる。きちっと戦術分析などをやるのはフジテレビで、風間八宏と青嶋達也のコンビでサッカー中継があると、(お祭りとしてではなく)スポーツとしてサッカーを楽しめる。基本的に、サッカーの実況では、ボールを持っている選手の名前だけ言ってれば良いのだ(テレビだと選手を区別しにくいから)。「実況担当まで応援団と一緒に騒いでどうすんだ、おまえは義務を放棄しているのだ!」と悪態をつきたくもなる。
 中でも日テレのサッカー中継はお粗末で、相変わらず野球中継のような間延びした中継をしている。フィールドで控えている女子アナが「(ある選手の)ご家族全員がバスで応援に来ており……」などとほのぼのしたエピソードを披露する。こちらは「今ボール持ってんのは誰だよ?」などと思いながらイライラして見ていると、その意味のないエピソード披露の間に点がドッカーンと入ったりする。「誰が入れたんだ? てめえ!」ってなもんだ(こっちも熱くなってるから)。
 (サッカーに限らず)戦術分析をきちんと行うスポーツ中継は、視聴者がそのスポーツに対する理解を深めるための格好の場でもある。
 たとえば全米プロフットボールリーグ(NFL)のアメリカでの放送を1年ないし2年見ていると、戦術的にもアメリカンフットボールをかなり理解できるようになる。かつて日テレではNFLを毎週中継していた(今もですか?)が、当初トンチンカンなことを言って解説者(および視聴者)の失笑を買っていた担当新人アナウンサー(カネコっていう人)が、放送を経るにつれてどんどんフットボールの理解を深め、NFLに精通してきたことに驚いたことがある。日テレの放送は、基本的にアメリカで放送されたものを適当にカットしてそれに解説と実況だけをかぶせるというものだったが、画面に戦術や戦略の解説が詳しく出たりするので、それがこのアナウンサーに浸透していったのではないかと思うのだ(勉強もしたんだろうが)。
 サッカー中継を応援だけで終始させることは、結局のところ、大人のサッカーファンを生み出す機会を逸することになる。民放各局は、日本代表クラスの国際試合を持ち回りで放送しているが、そのうちの一部の放送局では、それ以外のサッカー中継はほとんどやっていない(TBSとNHKがBSチャンネルでJリーグを定期的に放送、フジテレビが海外のサッカーリーグを録画中継)。サッカーをお祭りとしてしか考えていないことがよくわかる。こういう放送がお粗末な実況になるのは必至で、個人的には、代表クラスの中継放送から辞退して欲しいと思っている。
 さて昨日の日本対北朝鮮だが、試合内容はあまりレベルの高いものでなかったにもかかわらず、お祭り騒ぎにふさわしい結末になった(ロスタイムに決勝点!)。ちょっとできすぎじゃないか……と思ってしまった(ジーコの起用も大当たり!)。今からまた半年間、この種のバカ騒ぎが続くのかと思うと、サッカー好きの私でも少しうんざりする。

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